今回は『資生堂』の学歴重要性と就職実績の多い大学を見ていきたいと思います。
就活にあたって、希望の会社がどの程度自分の大学から採用するのかを知ることは重要です。
もしOB・OGが多い場合、就活でそのネットワークを活かさない手はありません。
また、採用校の特徴を知ることも重要です。東大・京大など一流大学ばかり採用する会社なのか、下位・中堅大学からでも大丈夫なのか、など必ず企業毎のカラーがあります。
今回は、化粧品業界最大手の『資生堂』についての分析です。
会社の概要
まず簡単に資生堂とはどのような会社か見ていきます。
事業内容 | 化粧品、トイレタリー、医薬品など |
主な商品 | エリクシール、マキアージュ、TSUBAKI, シーブリーズ アネッサ、など |
売上 | 1兆円0948億円 |
平均年収 | 約731万円 |
特徴 | ・国内最大手の化粧品会社。 ・海外売上比率が高い。 ・欧米で苦戦していたが回復傾向。 ・アジアからの訪日客によるインバウンド需要で潤う ・新卒採用における女性比率が50%を超える。 ・クロマトグラフィー事業は譲渡済み。 ・IoT等の新技術を使用した那須工場を新設(約400億円) ・元コカ・コーラ魚谷雅彦社長による改革を断行中 |
近年、日本の化粧品会社各社は中国や東南アジアから来た訪日客により売り上げを伸ばしています。(インバウンド需要)
資生堂はも例外ではなく、今度もこれまで同様に訪日客に対するアプローチを続けます。
加えて、資生堂は海外も重視しており、海外売上増加のための戦略を打ち出しています。
特に経済発展の続くアジア向けの戦略を強めています。
求める人材は、資生堂が掲げる『BIGWIN5』を体現できる人。
本社部門での”英語公用語化”など、海外事業にかなり力を入れる。
大学群採用実績の比較
過去29カ年における大学群別の資生堂への就職実績です。
分析
資生堂は早慶からの採用が多いのが1つ特徴です。
加えて次の段落で紹介しますが、実は『東大』からの採用数もかなり多くなっています。
恐らく営業枠としてはそれほど学歴にこだわった採用はしていないのでしょうが、研究者枠となると話は別なようです。10位の京大も気になります。
それ以外は、割と全体から万遍なく採用されています。
下に紹介している『就活って何だ』に書かれている資生堂の人事部長の話を読む限り、資生堂は学歴よりも『資生堂に入りたい気持ち・動機』を重要視している印象があります。
旧帝大からの採用もそれほど多いわけではありません。
ただ中堅以下の大学からの採用はやはり少なめです。
なので、学歴を全く見ていないわけではありません。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用数の多い大学をランキングで見ていきます。
ただし大学によっては若干年数が異なる。
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 早稲田大学 | 273 |
2 | 慶應義塾大学 | 267 |
3 | 東京大学 | 92 |
4 | 明治大学 | 91 |
5 | 日本大学 | 88 |
6 | 同志社大学 | 87 |
7 | 青山学院大学 | 83 |
8 | 上智大学 | 67 |
8 | 立教大学 | 67 |
10 | 京大 | 65 |
早慶からの採用が断トツで多く、次いで東大からの採用も多い。
私立大学からの採用が上位を独占しており、学歴の重要性がそれほど強くないことを示している。
ただし院卒の採用は、東大/京大/慶應/早稲田/阪大/北大/名大などと高学歴ばかりなので要注意。
学歴重要度
学歴重要度:(少し高い)
私が判断した資生堂における就職での学歴重要度は、3.5です。
早慶と東大が断トツですが、それ以外は中堅以上の大学に在籍していれば、それほど大きくは影響しないでしょう。
しかし院卒は文系・理系に関わらず早慶・旧帝大といった高学歴難関大からが大多数ですので、研究職などを希望する場合は注意しましょう。
- 日東駒専や産近甲龍からも多数採用。
- とはいえ、早慶からの実績が圧倒的に多いのに加え、東大からも多くの採用されており、学歴が全く価値がないわけではない。10位の京大も気になる存在。
- 旧帝大からの実績も、べらぼうに多くは無いが少なくもない。
- また、下位大学からの就職実績はやはり相当に少ない。
- 加えて、院卒は上位大学ばかり。
まとめ
資生堂は早慶や東大からの採用が多いのは事実で、ある程度の学歴があった方が有利です。
特に早慶からの実績は圧倒的で、高校生で資生堂に入りたいと思っている人は、できれば早慶を目指した方が良いでしょう。
また、研究職などのクオリティが要求される職種は早慶および旧帝大が極めて多いので要注意。
とは言え、学歴ばかりを重要視しているわけでもないようです。
学部なら日東駒専や産近甲龍からもそれなりの人数が就職しています。
しかし、やはり下位大学からの採用実績は相当少ないのは実情なので、就職希望者は入念に闘い方を検討しましょう。
資生堂の欲する人材とはどのようなタイプなのか、また自分がどのような価値を提供できるのか、しっかり分析することが重要です。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)