総合商社

【最新】(2021年度)総合商社大手5社の資源依存割合および生産量

総合商社の資源_2022_1

エネルギーや金属など、多くの資源権益を保有している総合商社大手5社。
2021年度は、資源価格の高騰により大きな利益を上げることができました。
この記事では2021年度における総合商社の資源依存度、および保有する資源の持分生産量について、詳細にまとめました。
(2021年度:2020年4月~2021年3月)

(2018年度)総合商社大手5社の「資源」依存割合を比較5大総合商社は実はかなりエネルギーや鉱物資源に対して投資事業を行っています。 資源系が売上や利益に占める割合も相当高くなっています。 ...

商社5社の資源依存度(2021年度)

資源依存割合

純利益に占める資源割合(2021年度)
 企業名 純利益(億円) 資源(億円) 資源割合(%) 備考
三菱商事 9,375 5,258 56.1 金属資源と天然ガスセグメントを合算し算出
伊藤忠商事 8,203 2,216 27.0 伊藤忠商事IR資料より
三井物産 9,147 6,116 66.9 金属資源とエネルギー事業本部を合算し算出
住友商事 4,637 1,600 35.0 住友商事IR資料より(資源%は一過性損益を除いた値)
丸紅 4,243 1,975 43.2 丸紅IR資料より

三菱商事が56.1%、三井物産が66.9%と、この2社は2021年度も資源割合が高い結果となりました。

三菱商事は特に原料炭、天然ガス、銅による寄与が特に大きく、三井物産は鉄鉱石、原油、石炭(原料炭と一般炭)が収益に大きく寄与しています。

また、非資源商社として知られる伊藤忠商事ですが、27%と意外に資源由来の収益が含まれます。これは、石炭と鉄鉱石の権益を多く保有しており、これらの価格が高騰したためです。

資源割合推移

2018~2021年度

総合商社資源割合推移(2018~2021)
※純利益ベース
※ただし純利益が赤字の年度は計算から除外(2019年度丸紅、2020年度住友商事)

三井物産が安定して資源割合が高い!

各資源権益における生産量

各天然資源の持分生産量 (2021年度)
商社名 石炭(※1)
(/年)
鉄鉱石
(/年)

(/年)
原油・天然ガス
(/日)
三菱商事 3,020万㌧ データなし 21.8万㌧ 22.7万バレル
伊藤忠商事 データなし 2,320万㌧  - 3.7万バレル
三井物産 1,180万㌧ 5,690万㌧ 12.8万㌧ 24.6万バレル
住友商事 580万㌧ 640万㌧ 5.9万㌧ 0.5万バレル
丸紅 585万㌧ 900万㌧(※2) 13.3万㌧ 2.2万バレル

※1 石炭とは一般炭、原料炭等の合計
※2 ロイヒル年間生産能力6,000万㌧から丸紅の出資比率より算出
1バレル = 158.987リットル

住友商事はニッケルも強いです。

資源別の生産量比較グラフ(2021年度)

石炭

石炭生産量の比較(2021年度)

総合商社石炭生産量の比較_2021_3
※石炭とは一般炭、原料炭等の合計

伊藤忠商事は石炭権益を保有していますが、詳細については私の知る範囲では生産量データなし。2年前の2019年度は950万㌧/年。
(※)「石炭」の各社内訳について
三菱商事: 原料炭
丸紅: 原料炭
伊藤忠商事:不明
住友商事: 一般炭+原料炭 (460万㌧:120万㌧。一般炭の方が多い。)
三井物産: 一般炭+原料炭 (310万㌧:870万㌧。原料炭の方が多い。)

三菱商事が圧倒的に強いのが石炭ビジネスで、算出する石炭はすべて高品質な原料炭です。
原料炭は製鉄用に使用されます。石炭火力向けは一般炭と呼ばれる石炭です。

原油・天然ガス

原油・天然ガス生産量の比較(2021年度)

総合商社原油天然ガス生産量の比較_2021
原油・天然ガスは三井物産と三菱商事が強いです。
逆に丸紅、住友商事は北海油田から撤退するなど、権益を手放す方向です。
ちなみに、国内で最も原油・ガス生産量が多い企業はINPEX(旧・国際石油開発帝石)です。

銅生産量の比較(2021年度)

総合商社銅生産量の比較_2021_2
三菱商事は銅生産量が多く、ケジャベコ鉱山の操業開始により2022年度以降はさらに1.5倍程度の生産量増になる見通しです。
丸紅も売上規模の割に、銅比率が高いです。
現在、国内で最も銅生産量が多いのは住友金属鉱山ですが、ケジャベコ鉱山操業開始により三菱商事がトップになります。

三菱商事の資源1
三菱商事が銅生産量国内トップに三菱商事のケジャベコ鉱山が稼働し、それにより銅生産量が32~37万㌧になる予定です。 これまで国内トップは住友金属鉱山でしたが、それを...

まとめ

2021年度は資源価格の高騰により、各社好業績となりました。
特に、三菱商事と三井物産は資源権益を多く保有するため、資源割合が50%を超えました。また、この2社は過去最高益を2倍程度更新しました。
また、三菱商事はケジャベコ鉱山の操業開始により銅生産量が1.5倍程度になる見通しであす。

一方で、逆風としてはロシアのサハリンⅡプロジェクトから外される可能性があることや、オーストラリアの原料炭ビジネスではロイヤリティの増額を求められているなどがあります。つまり、世界的に資源ナショナリズムが台頭する可能性もあるなど、今後注意が必要かもしれません、

とは言え資源の重要性が再確認され価格が高騰している昨今、総合商社各社の資源ビジネス動向には注目です。

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