業界研究/企業分析

総合商社大手5社の「資源」依存割合を比較

5大総合商社は実はかなりエネルギー鉱物資源に対して投資事業を行っています。
資源系が売上や利益に占める割合も相当高くなっています。
この記事では、5大商社各社について資源依存割合についてまとめました。
特に原油に関しては、現在コロナウイルスで需要が大幅に減り原油先物価格が20$を割っている状況ですので、株価下落率と合わせてみていきたいと思います。

5大商社の資源依存度

5大商社各社は実はエネルギー分野にも大きく投資しています。
海外からは資源開発企業と見なされる場合も多いと聞きます。
ここでは、各社の資源依存度、具体的には①原料炭②鉄鉱石③銅④原油・天然ガスについて見ていきます。

利益における資源依存割合

各社の純利益における、資源の割合をまとめます。(2019年度3月期)

純利益に占める資源割合(2019年度3月期)
商社名 純利益
資源の純利益
資源割合
三菱商事 5,907億円 3,442億円 58.3%
伊藤忠商事 5,005億円 1,155億円 23.1%
三井物産 4,142億円 2,629億円 63.5%
住友商事 3,205億円 610億円 19.0%
丸紅 2,308億円 560億円 24.3%
三菱商事三井物産の資源割合が非常に高いです。

各社、事業ポートフォリオの内、数10%が資源事業から利益を得ており、特に三菱商事と三井物産に関しては50%を大きく超えており、資源が生命線となっています。

資源はうまく行けば莫大な利益を生む反面、資源価格の低下や事業トラブルに見舞われた場合、莫大な損失を生む場合もあり、リスクリターンが大きいのが特徴です。

ある意味、博打要素が高い(?)

各権益資源の生産量

権益を持つ各資源における生産量の比較を行いたいと思います。

各天然資源の生産量 (2018年度)
商社名 石炭
(年産)
鉄鉱石
(年産)

(年産)
原油・天然ガス
(日産)
三菱商事 3,230万㌧ 750万㌧ 24.9万㌧ 24.0万バレル
伊藤忠商事 1,100万㌧ 2,240万㌧ 4.1万バレル
三井物産 960万㌧ 5,970万㌧ 15.3万㌧ 25.1万バレル
住友商事 470万㌧ 500万㌧ 5.4万㌧ 0.6万バレル
丸紅 566万㌧ 1.3万㌧ 3.4万バレル

1バレル = 158.987リットル

特に原油・天然ガス生産量について

各総合商社が権益として持つ原油・天然ガス生産量について分かりやすくグラフにして比較してみます。

総合商社各社が持つ原油・天然ガスの生産量
総合商社の原油・天然ガス生産量比較(2018年度)
三菱商事と三井物産が飛びぬけて高い!

三菱商事と三井物産の原油・天然ガス生産量が大きくなっています。
つまりこの2社はエネルギー依存度が高く、今回のコロナ禍のようなエネルギー需要減に対しては脆弱である可能性があると言えます。

株価下落率(コロナ禍)

コロナウイルスによりそれぐらい株価を落としたのか、各社の株価下落率を見ていきます。
(2020/4/18現在)
コロナにより、世界的にエネルギー需要が低下し、WTI原油先物価格において原油1バレル20$を割るなど、原油採掘事業を手掛ける総合商社は厳しい状況となりました。
実際にどれぐらい株価が下落しているのか、ザックリ比較したいと思います。
原油・天然ガス依存割合の高い、三菱商事三井物産はどうでしょうか?

2020年の年初来高値と年初来低値から算出
商社名 年初来最高値(円) 年初来最低値(円) 下落率(%)
三菱商事 2,948 2,094.50 29.0
伊藤忠 2,695.50 1,911 29.1
三井物産 1,999.50 1,378 31.1
住友商事 1,709.50 1,114.50 34.8
丸紅 830 480.7 42.1
一番ダメージを受けているのは丸紅!

意外と三菱商事三井物産の下落率はまだマシな方です。
5大商社の中では、もっとも企業体力のない丸紅が、42.1%と大きな下落率となっています。
逆に考えると、原油価格低下による影響は、まだ株価に織り込まれておらず、今後下がる可能性が高いと言うことでしょうか?

まとめ

5大商社における資源依存度を比較しました。
特にコロナ禍でもっともダメージを受けると思われる原油・天然ガスについて詳しく見ていきました。
5大商社の中では三菱商事と三井物産が資源依存度がそれぞれ58.3%63.5%と高く、また原油・天然ガス生産量も他社より圧倒的に高くなっています。
とは言え、コロナ禍で最もダメージを受けているのは今のところ丸紅で、原油価格低下を織り込んだとき株価がどうなるかは見ものです。

参考:会社四季報業界地図(2020年度版)

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