今回は積水化学工業の『学歴の重要性』を見ていきたいと思います。
積水化学は化学大手なので、住友化学や三井化学と似ているところもありますが、石油化学事業を行っていないので『総合化学』とは分類されないという特徴があります。
では積水化学の概要からはじめて、就職データから見えてくる採用の傾向について分析したいと思います。
会社の概要
まず積水化学がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 住宅、環境・管材、機能性ポリマーの3事業(カンパニー)が柱 |
主な商品 | 機能性フィルム、水道管の樹脂素材、糖尿病の検査薬、容器など |
売上 | 約1.1兆円 |
平均年収 | 約933万円 |
特徴 | ・3大カンパニー制でそれぞれに執行役員を置く ・高分子技術を活用したビジネスが多い ・検査薬などの医療分野にも進出している ・自動車ガラスの中間膜が有名 ・年収などの待遇はかなり良い |
積水化学が求める人材は、『様々な環境に適応できる人、自らの役割を考え、前向きに取り組める人、成果を出すまであきらめない人』だそうです。
かなり具体的な要求な気がします。
ちなみに最後に「成果を出すまであきらめない人」という文章がありますが、この文面が示すように積水化学はかなりの成果主義で、出世できるかできないかに成果が大きく関わってくると言われています。
積水化学は三菱ケミカルや三井化学などと事業分野が被るところもありますが、決定的に違うのが積水化学は『石油化学プラント』を持たない所です。
そのため、積水化学は分類としては単に『化学大手』と呼ばれ、あまり『総合化学メーカー』とは呼ばれません。
事業分野としては、フィルムや自動車部材など、高分子技術を活用した各種ポリマーが主力製品です。
大学群採用実績の比較
では積水化学の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における積水化学の採用実績の”偏り”を分析します。
積水化学は他の化学大手と異なり、旧帝大や早慶などの所謂トップ校からの採用がそれほど多くはありません!
ボリュームゾーンとして圧倒的に多いのが『関関同立』です。
旧帝大の1.5倍以上、早慶の2倍以上の実績がありますが、これは他の大手化学メーカーでは見られない、かなり珍しい特徴です。
またMARCHからの採用も早慶並みに多く、あまり学歴が関係ないかのような印象を持ちます。
ただし!気をつけなければならないのが、日東駒専や産近甲龍などのレベルになると就職実績が『ガクッ』と下がる点です。
関関同立やMARCHの合格実績からは考えられないほど、少数しか採用されていません。
日東駒専と産近甲龍は本当に大手企業への就職が弱いです。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 同志社大 | 239 |
2 | 早稲田 | 205 |
3 | 関西大 | 197 |
4 | 関西学院大 | 191 |
5 | 神戸大 | 155 |
5 | 立命館大 | 155 |
7 | 明治 | 146 |
8 | 阪大 | 138 |
9 | 慶應 | 122 |
10 | 京大 | 120 |
ご覧の通り、上位には同志社大をはじめとした関関同立が名を連ねます。
東大がランクインしておらず、京大も10位に落ち込むなど、高学歴の採用が少ないという印象です。
理科大は100人で11位。
学歴重要度
学歴重要度:(少し低い)
私が判断した積水化学における就職での学歴重要度は、2.0です。
東大京大などの旧帝大や東工大、早慶などの高学歴大学からの採用があまり多くはなく、逆に関関同立やMARCHなどの中堅からの採用がかなり多いです。
そのため、学歴はそれほど重要とは言えず、評価は2.0です。
- 旧帝大・難関国公立・早慶からの採用がそれほど多くない
- 関関同立・MARCHからの採用が極めて多い
- しかし、日東駒専と産近甲龍からの採用は一転して少なくなる
まとめ
積水化学は東大を始め、トップ校からの採用がかなり少なくなっています。
恐らく、社内的にそういう文化なのだと思います。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)