管理人は学生時代から音楽を聴くのが好きだったのと、最近になってピアノをやり始めたことから楽器メーカーに憧れの念を抱いています!
中高の部活で吹奏楽部に入っていた人や、ピアノを習っていた人、あるいはエレクトーンやシンセサイザーなどの電子楽器が好きな人は楽器メーカーにかなり関心があると思います。
この記事では国内大手楽器メーカーである「ヤマハ」「河合楽器製作所」「ローランド」について、理系就職という観点から見ていきたいと思います。
採用における技術系の割合
これら大手楽器メーカーですが、採用の多くは技術系になっています。
その理由は電子楽器や音響などの開発に注力しているためです。
特にローランドは伝統的にシンセサイザーや電子ピアノの販売の販売を行ってきた会社であるので技術系の採用が多いです。
ヤマハも電子ピアノやオーディオなどの音響設備の開発に力を入れているため技術系の採用はかなり積極的に行っています。
一方、河合については「ピアノ」の製造がメインであり、電子ピアノも販売していますが基本的には生楽器の会社という位置づけです。
理系の採用実績
1位:ヤマハ(36名/48名中)
2位:ローランド(11名中/17名中)
3位:河合楽器製作所(8名/20名)
2019年度四季報より抜粋
見てわかるように、ヤマハやローランドが理系人材を積極的に採用している一方で、河合の理系採用者数は非常に少なくなっています。
技術系の専攻分野は?
これら大手楽器メーカーに就職するにはどの学部・学科で何を専門に学ぶべきでしょうか。
個別に見ていきたいと思います。
ヤマハ
ヤマハは電子技術などの分野において世界の先端を走っている企業です。
歴史の長いオーディオ(スピーカーやデジタルアンプなど)や5.1chなどの音響システム関連の研究開発を行ているのは当然のことながら、最近ではボーカロイドとして有名な「歌唱合成技術」の研究開発にも注力しています。
そのため、PCを用いたデジタル情報の解析ができる人材は需要があるほか、楽器材料の研究開発も行っているため、材料系などの化学系出身者の採用も行われています。また、3DCADなどを用いた設計ができる人材も重要です。
→情報系(ソフトウェア, ハードウェア両方), 化学系(材料系など), 電気電子
個人的には新卒での就職であれば、大阪大の基礎工システム科学科などは非常にマッチしているのではないかと思います。
理由:PCを用いた解析・シミュレーション, 数理モデル化, 計測とデータ処理などを行っており、研究レベルが高いため。
化学系なら有機合成や薬学、分析化学といった分野ではなく、どちらかというと材料や表面技術などの研究がマッチしていると思います。その他には量子化学計算などの計算化学者もどちらかと言えばマッチしていると考えられます。
(PCによるシミュレーションやプログラム開発といた点)
ローランド
ローランドも電子ピアノやシンセサイザーなどの電子楽器がメインであることから、ヤマハと同じように情報系や電気・電子系が活躍する職場であります。
基本的にはヤマハと被りますが、プログラミングやハードウェアの知識のある情報系学生や、電子回路を学んだ電気・電子系の学生がメインと思われます。
化学系の採用もありますが、情報系などと比較すると採用数はかなり少ないと思われます。
河合楽器製作所
カワイは基本的にはピアノなどの生楽器の会社です。
ピアノは技術的にはほとんど完成されているため、それほど積極的な採用を行ってはいないようです。
カワイの主力製品として生ピアノの他には電子ピアノがあります。
その電子ピアノの開発に関連して情報系や電気・電子系の採用があります。
楽器の金属加工などの研究を行っているため、化学系の採用もあると考えられます。
しかし、全体的に技術職の募集は少ないと言えると思います。
求める人材
ヤマハやローランドは、高性能の電子製品を販売している会社ですので、相応の技術力を持った人材であることが必須です。
一方、募集要項に書かれているように「柔軟性を持った人材」が求められています。
つまり理論一辺倒の人間は絶対にNGです。
というのは音楽というのは人間の「感性」による部分が多分に影響しています。
例えばオーディオではスピーカーから流れてくる音により製品の良し悪しが判断されますが、技術的に高度だからといって出てくる音が素晴らしいとは限りません。
結局「良い」「悪い」を判断するのは人間であるので、S/N比など理論的指標はあるにせよ「これがいい!」とい絶対的な技術的指針は音楽にはありません。
そのため、技術至上主義者のような人間はこの業界には全くマッチしていないと考えられます。(まず周囲の社員と意見が合わない)
求められている人材は、高度な技術力を有していながら、他方で音楽という芸術に理解があり顧客の要望を最優先に考えることのできる人材であることでしょう。それが、大手楽器メーカーに就職するために最低求められている要素です。
中途採用のオススメサイト
ヤマハやローランドなどの大手企業の就職を希望する場合、DODAやリクルートなどの大手転職サービスを利用するのがベストです。
なぜなら小規模転職サイトにはこのような大手の案件は載りにくいからです。
DODAには定期的に募集案件が来ています。(2018年5月)
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