旧帝大は総合すると大手化学系のメーカーに強いのは事実ですが、より詳しく見てみると旧帝大の中でもかなり差があります。
そこで今回は、大手化学メーカーの就職実績における旧帝大の序列について分析しました。
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大手化学メーカー
(化学、化粧品、日用品、素材など)
では、総合化学や原料・素材・日用品など、主要な化学大手メーカー15社における就職実績(過去29カ年)を見ていきたいと思います。
大学名 | 集計年数 | 大手化学15社 就職実績(人数) |
学部学生 1人当たりの換算 |
京都大 | 29年 | 1564 | 0.117 |
東京大 | 29年 | 1365 | 0.097 |
大阪大 | 29年 | 1357 | 0.089 |
東北大 | 24年 | 762 | 0.069 |
九州大 | 29年 | 788 | 0.067 |
名古屋大 | 29年 | 478 | 0.049 |
北大 | 23年 | 490 | 0.043 |
ごらんの通り、上位3大学は1300名以上、最下位の北大でも500人弱という数字が示すように、旧帝大は化学メーカーへの就職力が強いことがわかります。
在籍者数による影響を考慮したのが『学部学生1人あたりの換算』で、2018年の学部学生の総数で就職実績を割っています。
これにより、大学間の就職力の差をより正確に把握できるようにしました。
その結果、やはり京都大学が断トツのトップで、東大&阪大が他の大差をつけて上位に位置すると言う結果になっています。
導かれた結論1(京大が強い)
過去29カ年の就職データを分析した結果、化学系の大手メーカーに最も強い大学は東大ではなく『京都大』であることが判明しました。
就職の絶対数も東大をリードしている他、(学部)学生の人数で割った『学生1人あたりの就職実績』も東大を大きくリードしており、京大は化学メーカーに相当強いことが明白となりました。
京大はアカデミックなイメージもあるため、これは少し意外な結果と感じる方もいるかもしれません。
導かれた結論2(東大・京大・阪大が別格)
表に書かれてある通り、旧帝大は全体的に化学系就職に関してかなり強いですが、その中でも東京阪の3大学は就職者数が1300人を超えており、別格の強さとなっています。
大学で真面目に学問に打ち込み、人間性に問題なければ化学メーカーは比較的容易にパスできる可能性が高いです。
ここで、大学入試の難易度を考えた場合、阪大は東大京大と比較するとややレベルが落ちるため、大手化学への就職だけを希望する場合、阪大はかなりコスパの良い大学と言えるかもしれません。
導かれた結論3(名古屋大と北大が弱い)
最後に気になった点は、名古屋大と北海道大の就職の弱さです。
過去実績400名以上という数字は、他大学と比較した場合かなり高い値なのは間違いありませんが、旧帝大の中での比較となるとかなり他とは差をつけられてしまっています。
(北大は過去23年で他大学より年数が少ないので多少、しょうがないかもしれません。)
名古屋大は近くに『トヨタ自動車』があり、トヨタへの就職者数は旧帝大でNo.1ですが、阪大や九大もそれに近い数字であるので、”トヨタに取られてるから少ない”という理屈は通用しないように思われます。
他の難関国公立は?
例えば東工大は過去28カ年で1232名が大手化学15社に入社している他、神戸大も過去29カ年で802人が入社しているなど、旧帝大と遜色のない実績をもつ大学もあります。
また前回比較したように、早慶も化学への就職実績は良いです。
まとめ
旧帝大における大手化学15社への就職実績を比較しました。
その結果、東京阪の3大学が、化学系には別格の強さをもつというデータが示されました。
一方、名古屋大と北海道大に関しては、旧帝大の中では化学系への就職力が弱いという結果になりました。
私見では、入試難易度のコスパを考えると、化学系への就職は『阪大』がおススメかなと思います。
能力があれば、大学を移ることで確実に就職に有利になります。
参考
学部学生数について
2018年時点における学部学生(1~4回生)の人数の総数です。
大学名 | 学部学生の総数(人) |
東京大 | 14024 |
京都大 | 13360 |
大阪大 | 15250 |
九州大 | 11746 |
東北大 | 1012 |
北大 | 11346 |
名古屋大 | 9724 |