今回は『信越化学』の就職実績の多い大学と学歴重要性を見ていきたいと思います。
一般的に、就活にあたって希望の会社の採用校実績を知ることは重要です。
企業によっては東大・京大など一流大学ばかり採用するところもあれば、下位・中堅大学もOKであったりと、企業毎に様々なカラーがあるためです。
今回は、化学大手の『信越化学工業』についての分析です。
会社の概要
まず信越化学がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 塩ビ樹脂、半導体ウエハー、石油化学など |
主な商品 | 塩化ビニール樹脂、シリコーン系原料、精密機材など |
売上 | 約1兆円2千億円 |
平均年収 | 約843万円 |
特徴 | ・化学業界を代表する高収益企業 ・塩ビ樹脂とシリコーンが有名 ・最近、アメリカで石油化学事業を開始した ・アメリカでのエチレン製造により名実ともに総合化学大手へ |
信越化学が求める人材は、『自立した価値観と判断力を持ち、精神的にタフな人』だそうです。信越化学は塩ビ樹脂とシリコーンが業界的に有名。
『シリコーンオイル』は加熱用のオイルや消泡剤などの化学製品に広く用いられています。
大学群採用実績の比較
そんな高収益企業である信越化学の採用校実績はどうなっているでしょうか。
過去29カ年における大学群別の信越化学への就職実績です。
通常、信越化学のような大手企業には、早稲田・慶應からの採用数が多くなることが普通ですが、信越化学ではそういうわけでもないようです。
花王や旭化成のように、早慶が東大や京大を上回ることなどザラにありますが、信越化学は相対的に早慶の割合が低いくなっています。
実は、後述のように確かに早稲田大学が信越化学の採用実績で一位ではあるのですが、旧帝大をはじめとする難関国公立の割合も大きく、早慶の割合が相対的に低くなっています。
同時に、授業がハードで進級が厳しいことで有名は『東京理科大学』も採用実績で上位にいるのも特筆すべき点です。
逆に、面白いのが首都圏や関西圏の中堅私立である『日東駒専』や『産近甲龍』からの実績がほぼ皆無な点です。特に産近甲龍からは29年間で信越化学への就職実績が0(または不明)となっています。
加えて、東海大や東洋大などの中堅~下位のマンモス校からの採用も極めて少なく、29年間で数名となっています。
これらのことから、信越化学は世渡りの上手いチャラい系の学生でなく、勉強をちゃんとするマジメな学生を欲しているのではないかと思われます。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用数の多い大学をランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、横浜市立大学と千葉大など一部の首都圏国立と地方国公立が集計には入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 早稲田 | 63 |
2 | 東北大 | 61 |
3 | 東工大 | 51 |
4 | 東京理科大 | 49 |
5 | 東大 | 38 |
6 | 慶應 | 37 |
7 | 京大 | 26 |
8 | 名古屋大 | 25 |
9 | 北大 | 24 |
10 | 阪大 | 23 |
慶應がそれほど多くないのと、旧帝大や東工大などの国公立が上位を占めるのが特徴。
理科大の実績も良いのもポイント。
(理科大は就職に強いですが、信越化学へは特に実績を残しています。)
学歴重要度
学歴重要度:(高い)
私が判断した信越化学における就職での学歴重要度は、4.0です。
信越化学はバリバリの学歴主義ということは断じてないですが、下位大学からの採用はほとんど皆無であるなど、『関係なくはない』ので評価4.0です。
- 理科大など中堅校からの実績も多い。
- とは言え日東駒専や産近甲龍をはじめとする中堅~下位大学からの採用は極めて少ない。
(学生数の多さを考えたら、”異常”な少なさ) - 早慶や旧帝大などの難関校からの採用はやはり割合として大きい。
まとめ
信越化学は早慶や東大からの採用が多いのは事実ですが、圧倒的というほどでもなく、東京理科大などの堅実な大学からの採用も多いです。
一方で『日東駒専』や『産近甲龍』をはじめとする中堅~下位の大学からの採用には驚くほど消極的で、産近甲龍に至ってはこの約29年間で実績0です。
信越化学はある程度の学歴があって、頭が良く、真面目に勉強するタイプの学生を好んでいるのは間違いないでしょう。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)