日本の食糧事情を根底から支えている農業に携われるということで、農薬・肥料業界を志す人はたくさんいます。
特に農学部や理学部生物学科からの人気が高いです。
この記事では、そんな農薬・肥料業界について、就活的観点から業界研究をしたいと思います。
巨大資本が必要な製品開発
研究開発費の増大
農薬について言えば、莫大な資本が必要な業界です。
それも開発費は年々増加の一途を辿っています。
理由の一つが農薬に対する世界的な規制の強化です。
性能や品質・安全性に対する基準が厳しくなり、以前は実際に製品化まで辿りつけるサンプルの割合が数千に一個程度だったのに対し、今は数十万サンプルに一個という割合になっていると言われています。
事業再編・合併
巨大企業同士の合併が加速しています。
海外のダウ・ケミカルやデュポンといった超巨大企業が研究開発の合併が行われるなど、競争力強化が積極的に行われています。
日本はプレーヤーが多く、住友化学などの少数の企業しか対抗できるほどの資本力がないと言われています。
(住友化学でも海外の超巨大企業と比べると小さい)
肥料の始まり
1800年代後半にハーバーボッシュ法によりアンモニアが工業的に量産できるようになったことで、化学肥料が世に出回るようになりました。
研究員の働き方
研究開発の仕事であっても、現地でのフィールドワーク的な仕事も多いです。
実際に農薬を使用して貰ってる農地へ赴いて、効き具合を目で見て判断し、農家の人とコミュニケーションを取って改善点などを話し合います。
大企業になると、海外に数か月滞在して、フィールドワークを行うこともあります。
研究室にこもって、ひたすら実験するという具合ではなさそうです。
農業分野の市場
世界の農薬市場
1位:ブラジル
2位:アメリカ
3位:中国
世界トータル規模:5~6兆円 (2013年)
魅力的な市場である中国
中国はニュースでも報道される通り、農薬・肥料の質があまり高くなく、土壌汚染なども発生しています。
逆に言えば、まだまだ開拓の余地が残されておりマーケットとしては魅力的です。
中国の国営企業である『中国化工集団』がスイスの世界No.1農薬メーカーを2017年に買収するなど、動きが加速しています。
農業分野における日本の有名企業
住友化学など日本を代表する企業群が農薬分野にいます。
- 住友化学
- 三井化学
- 日産化学
- 日本曹達
- 日本農薬
あたりが日本における農薬大手と言えます。
また、これらは研究開発型の企業であることも重要です。
世界を見渡すと、
- ダウ・デュポン
- シンジェンタ(中国化工集団)
- BASF
が超巨大企業(ビッグ3)として君臨しています。
日本農薬で704万円(平成27年)となっています。
まとめ
・医薬品と並び巨大資本を必要とする業界である。
・日本にはプレーヤーが多く少量多品種である。
・ダウケミカルとデュポンの合併など、業界再編が進んでいる。