管理人が大学のときに使っていた参考書のレビューを書いていきたいと思います。
率直な感想を述べたいと思います。
アトキンス物理化学
初めて物理化学を学ぶ人にとっては、結構難しい内容になっています。
解説は比較的詳細に書かれているのですが、初学者には独力で読み進めるのは難しいと感じます。
一通り熱力学や量子化学を学んだ人や、物理化学のセンスがある人にはとても参考になるかもしれません。
アトキンスに関するエピソードが一つあります。
私が大学生の時の熱力学の教授が、アトキンス物理化学の翻訳を手掛けていました。
その教授はアトキンスに会ったことがあるらしく、
「アトキンスは非常に頭が良く、彼が居れば他の人は必要ない」
と仰っるほどアトキンスを非常に評価していました。
アトキンスさんはとにかく非常に頭が良い人だそうです。
そのためかどうか分かりませんが、内容が難しくなっています。
本のレイアウトはカラーで、紙質も上質です。
分かりやすさ | ★★★☆☆☆☆☆☆☆ (3点/10点満点) |
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情報量 | ★★★★★★★★☆☆ (8点/10点満点) |
総合評価 | ★★★★★☆☆☆☆☆ (5点/10点満点) |
ピーター・アトキンス氏は1940年生まれで、現在78才。1964年に“電子スピン共鳴”の研究でPhDを取りました(レスター大学)。理論化学を学んでいました。2007年に引退されてからは執筆活動に専念されているそうです。無神論者。
出典: https://en.wikipedia.org/wiki/Peter_Atkins
マッカーリサイモン物理化学
アトキンスが上級者向けな印象なのに対して、マッカーリサイモンはどちらかと言えば初学者向けな印象です。
アトキンスよりも解説が易し目です。
高校で生物選択だった人や、もしくは物理化学をこれから勉強するという人に特に最適かな、と思います。
量子化学や熱力学などの物理化学の基礎を学ぶことができます。
私はアトキンスでわからなかった時によくマッカーリサイモンを読んでいました。
分かりやすさ | ★★★★★★★★☆☆ (8点/10点満点) |
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情報量 | ★★★★★☆☆☆☆☆ (5点/10点満点) |
総合評価 | ★★★★★★★☆☆☆ (7点/10点満点) |
『マッカーリサイモン』という名前ですが、『マッカーリ(Donald A. McQuarrie)氏』と『サイモン(John D. Simon)氏』の共著であることに由来しています。マッカーリ氏は1937年生まれのアメリカ人で2009年に亡くなられたそうです。サイモン氏は1957年生まれのアメリカ人で現在リーハイ(Lehigh)大学の学長になられています。
クリスチャン分析化学
クリスチャン分析化学は分析の教科書として非常に有名です。
管理人も大学のときに教科書として購入しました。
しかし内容ですが・・・書かれている日本語が少し変な気がします。
『ザ・翻訳』という感じの日本語で読んでいて疲れてしまいます。
内容的には分析化学を幅広く扱っています。
わかりやすくはないかな?と個人的には思います。
と学生時代は思っていたのですが、社会人になって振り返って読んでみると、情報量は多いしわかりやすいしで評価が一変しました。
申し訳ございません。
分かりやすさ | ★★★★★★★☆☆☆ (6点/10点満点) |
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情報量 | ★★★★★★★☆☆☆ (7点/10点満点) |
総合評価 | ★★★★★★★☆☆☆ (7点/10点満点) |
簡単めの分析化学の本
クリスチャンほど本格的ではないですが、酸化還元・電気化学・錯体/キレート・機器分析(吸光度など)・クロマトなど重要な内容を扱っているので、勉強になります。
定性的に分析化学の知識をつけたい人にはもってこいです。
ボルハルト・ショアー現代有機化学
有機化学の教科書でレイアウトが綺麗です。カラーです。
様々な有機化学の反応だけでなく、『速度論支配 vs 熱力学支配』などの理論化学のコラムもあります。
必要に応じて物理化学の話も入っているので勉強になります。
結構ボリュームがあります。
内容的には基礎から応用まで記載されていて、幅広いレベルに対応しているのですが、全体的に難易度は高めです。
本格的に有機化学を勉強したい人に最適だと思います。
分かりやすさ | ★★★★★★★☆☆☆ (7点/10点満点) |
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情報量 | ★★★★★★★★☆☆ (8点/10点満点) |
総合評価 | ★★★★★★★☆☆☆ (7点/10点満点) |
この本も『ボルハルト氏』と『ショアー氏』の共著なのでボルハルト・ショアーとなっています。