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【化学理論】接着剤の原理と関連企業のかんたんな紹介【業界研究】

接着剤アイキャッチ

私たちの身近にある化学製品である「接着剤」。
接着剤はどのような化学的メカニズムでモノをくっつけるのか、考えたことはあるでしょうか?
この記事では接着剤の接着メカニズムを簡単に解説します。
また国内の接着剤メーカーも軽く紹介します。

接着剤のメカニズム

接着剤の接着力は以下の2つにより決定されます。

  1. 部材と接着剤の界面における相互作用
  2. 接着材料そのものの凝集力

それぞれ見ていきます。

①部材と接着剤の界面における相互作用

まずは部材と接着剤の結合です。
部材同士が接着するには、まず接着剤と部材がくっつかなくてはなりません。
接着剤と部材が強固に結合することで、部材同士が接着されるのはイメージしやすいかと思います。
接着剤と部材のメカニズムは諸説ありますが、大きく分けて

  1. 機械的結合
  2. 物理的結合
  3. 化学的結合

の3種類に区分できます。

機械的結合

アンカー効果
「結合」と書かれていますが、どちらかというと「引っかかる」に近いイメージです。
部材表面のデコボコ(立体構造)と接着剤のデコボコが絡み合うことでくっつく結合で、「アンカー効果」と言われます。
船が停泊するときに、動かないようにするアレです。
部材の表面立体構造と、接着剤の立体構造が物理的に作用することで生まれる接着力です。
アンカー

物理的結合

ファンデルワールス力
「物理的結合」とは分子間力(ファンデルワールス力)による結合です。
なので「物理的」とはいえ、「化学的」に近い結合と言えます。
ファンデルワールス力自身は弱い結合ですが、接触面積が大きいとその分、吸着力が大きくなります。

ファンデルワールス力は分子の瞬間的な揺らぎによって生じる分極(=誘起双極子)が引き起こす分子同士の電気的な相互作用です。

化学的結合

水素結合
もう一つが「化学的結合」です。
主に、水素結合や共有結合のことを指します。
これらの結合は分子間力よりもかなり強い結合ですので、接着剤と部材の接着において重要な役割を果たします。

共有結合 > 水素結合 > ファンデルワールス力
水素結合はファンデルワールス力より1桁強く、共有結合は水素結合よりさらに1桁強い。

②接着材料そのものの凝集力

接着剤自身の結合も重要です。
いくら接着剤と部材が強い力でくっついていても、接着剤自身が弱かったらそこで剥がれてしまいます。
なので接着剤成分同士が、どれだけ強い力でくっついているかも重要です。

原理

接着剤成分の分子同士の、分子間力や水素結合などが重要になります。
重合するタイプもあります。

  1. 接着剤成分そのままで接着するタイプ
  2. 重合または乾燥により接着するタイプ

特に化学反応や溶媒の蒸発を起こすことなく、そのままの状態で固まるのが①のタイプです。
②のように、ラジカル重合やイオン重合を起こすタイプや、溶剤の蒸発により固化するタイプもあります。

接着剤のタイプ

接着剤には様々なタイプがあります。

  • アクリル系
  • ウレタン系
  • エポキシ系
  • 酢酸ビニル系
  • ゴム系
  • ビニル系
  • シリコーン系

また、下に示すように様々な機能性を持たせた接着剤も販売されています。

機能的な接着剤

接着剤は様々な用途に対応するために、様々な機能性をもった接着剤が販売されています。

ただくっつけるだけじゃありません。

UV硬化型

UV(紫外線)を照射することで固まる接着剤。
重合により固化が進みます。
ラジカル重合だけでなく、イオン重合の場合もあります。

メリット

・接着時間の短縮。
・低温での接着が可能。
「UVを当てないと接着しない」という便利さ。

熱硬化型

熱により硬化剤が化学反応により固化することで固まる接着剤。

メリット

・温度により接着をコントロールできる。

ホットメルト(熱溶融)型

熱により一旦溶かして、その後固化することで接着するタイプ。
ゴム系の接着剤などに見られる。

メリット

・加熱しなければ接着しない。

国内の接着剤メーカーについて

以下に国内の有名な接着剤メーカーを紹介したいと思います。

コニシ(株)

家庭用接着剤では業界最大手。
「ボンド」が有名。
その他、建材用、工業用などの業務用途向け接着剤も多数。

セメダイン(株)

工作などで使う「セメダイン」(社名にもなっている)が有名。
日本ではじめて合成接着剤を販売しました。

積水フーラー(株)

積水化学と日本フーラーが合弁会社を作って誕生した会社。

包装用、建材用、紙おむつ用など、業務用途の接着剤が大半です。

参考資料

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