就活オススメ

【就活】就活生にオススメしたい就活関連本【書評】

就活書評

私が就活生に是非おススメしたい、就活本の良書を紹介します。
本当に本音で良いと思ったものだけを取り上げます。

就活って何だ~人事部長から学生へ(文春新書 著者:森健)

私が最もおススメしたい就活本がこの『就活って何だ(著者:森健)』です。
就活ってそもそも何なのか?どういう考えで採用を行っているのか?という所に焦点を当て、大企業の人事部長にその考えを語って貰うという本です。

人事部長たちの本音

この本では大企業の人事部長が本当にホンネで語っています。
普通に就職活動していては、企業の採用の考え方や欲しい人材というのは、なかなか見えてこない部分もあると思います。

この本では人事部長が「どういう人物を魅力的だと感じるか」というところが所々書かれていて、私が読んでも『なるほどな』と思わせられるところも多いです。

例えば、資生堂を受けに来た就活生の話。

幼いころ、私は祖母に大変可愛がってもらった。祖母は資生堂の白粉を使っていたので大学に入って最初のアルバイトで資生堂のコンパクトを買ってあげた。祖母は大変喜んでくれたけど、自分で働いたお金は自分のために使いなさいと言ってくれた。その後、就職活動を始めたところで祖母は亡くなってしまった。悲しみの中、遺品を整理していたら、そのコンパクトが出てきて、裏側に私の名前が書いてあるのを見つけた。私と祖母をつないでくれた資生堂で、また誰かを結ぶことが出来たらうれしいです。(資生堂 P.59)

資生堂の人事部長だった高重三雄さんは感動して泣いてしまったそうです。

もちろん創作しようと思えばできるでしょう。でも実際にお会いしたら真実は伝わるものです。彼女のケースでは、面接してみたら、誠実な人柄が伝わってきて、彼女の動機もまた本物だったことが分かった。実際に彼女は採用され、現在3年目。営業の仕事をがんばっています。(資生堂 P.59)

これを読んで、私も泣いてしまいました。
結局、どこまでいっても人間が人間を評価するわけです。
会社も結局は人ですし、それはそれでいいのだと思います。
面接で誠実さを判断するってこういうところなんだなと思います。

登場している企業としては資生堂の他、JR東海東京海上日動三菱東京UFJ銀行サントリー明治製菓武田薬品NTTドコモ日立製作所フジテレビベネッセバンダイ電通など、バライエティに富んだ業界からインタビューしていて、時にはベネッセの話で「グループディスカッションで○○人から△△人に絞られる」といった情報も書かれています。

採用的な話で言うと、「グループディスカッションで自分ばかり話すタイプの人に対する感想」や「生意気な学生は感情的に落としたくなるが、あえて落とさない」などが書かれていて、大変興味深かった。

本の構成としては、始めの方にJR東海や東京海上日動の話があって堅めの内容から始まり、後の方になるにつれてバンダイや電通など砕けた話も多くなってくると言う感じです。

それぞれの社の考え方が反映されていると思う場面もあるのと、共通しているなと思うこともしばしば。

テクニックだけじゃない

面接は確かに建前的な部分ももちろんあるのだけど、そこだけじゃなく採用の人は本気で人間性企業の志望度を見てくれていることを感じます。

日立製作所の回の話で、バスケットボールをしていたある女学生に「なぜ日立を選んだのか?」という質問をぶつけたところ、その女学生が「日立もバスケットチームがあるので親しみをもった」と回答したことで、実直さを感じたという人事の話など、『その角度から人を見るのか』と思わせられることがこの本では多かった。

このブログでは割と就活や業界研究の分析的な部分(採用校や事業内容など)を、記事にして取り扱っていますが、それはそれとして参考にしていただいて、人間性、人生観、ロジックの部分も大切にして欲しいと思います。

思えば他人にここまで深く人間性を見られる機会というのは人生において就活の他ないと思う。
胸を借りるつもりで面接官と対話して欲しいと思います。

私も就活に対しては『欺瞞』『騙しあい』のように思っていた部分もありましたが、そういう面ばかりだけではないなと、この本を読んで気付かされました。

社会人の私も大変参考になった

この本はたまなまブックオフで見つけてその日のうちにすぐにバーっと読んでしまった。
冒頭の資生堂の女子学生の話だけでなく、ところどころエピソード的な話が挿入されていて考えさせられる部分があります。
親の金で世界中を旅行していたNTTドコモの就活生の話や、一か月間はシャンプー無しでも大丈夫という日立製作所の就活生の話など。
また、バンダイでは最終面接でいきなりシャドーボクシングを始め出したというクスっとくるエピソードも。笑

学生側でもユニークな人が来ます。面接で踊り出す人や歌い出すような人はよくいるし、最近では最終面接でシャドーボクシングをしはじめた人もいました。やってはいけないとは言わないけれど、それを見せるだけで何も伝えたいことがないのでは厳しい。(P.182 バンダイ 本田耕一氏)

社会人にとっても参考になる本だと思います。
もっというと人生についても考えさせられます。
就活生には本当に一度は読んでほしい本です。

著書の森健さんのインタビューと編集も良いのだと思います。
いい仕事して頂きありがとうございました。
続編期待しています。

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