日本の大手化学メーカーは古くからの伝統があり優良企業が多く賃金水準も高いので、就活生にも人気です。
そんな大手化学メーカー15社への入社状況を、各種データから分析するシリーズ。
今回は、関西の中堅私立大学である『産近甲龍』のデータ分析を行いたいと思います。
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産近甲龍は大手化学メーカーと相性が悪い
結論から先に述べる増すと、各種データから産近甲龍は大手化学メーカーとかなり相性が悪いという結果となっております。
過去29カ年(※1)の就職実績
産近甲龍の過去29カ年における大手化学メーカー15社への就職実績を見ていきますと、
ただし、京都産業大は28カ年、龍谷大は25カ年。
大学名 | 大手化学15社への就職実績(人数) |
京都産業大 | 139名 |
近畿大 | 120名 |
甲南大 | 245名 |
龍谷大 | 70名 |
このように、およそ29年間で、大手化学15社に入社できた人数はこれだけしか居ません。
特に龍谷大は25年間でたった70名しか大手化学15社に入社していません。
また、産近甲龍4大学から『信越化学工業』および『富士フィルム』に入社できた学生は、過去29年間で1人もいません。
信越化学は立地的に新潟に本社があるのに加え、採用人数も実はそれほど多くないのでまだわかります。(とはいえ関関同立からは46名就職しているが。)
しかし、富士フィルムへの就職実績が0人なのは、立地では説明できません。
実際、関関同立からは過去29カ年で137人の就職実績があります。
産近甲龍は富士フィルムをかなり苦手としているのは間違いありません。
関関同立との比較
次に、『関関同立』との比較を行っていきたいと思います。
関関同立は関西のトップ4の私立大学の総称で、ランク的には産近甲龍の一つ上の大学群になります。
産近甲龍と関関同立は、どの程度の差があるのでしょうか。
関関同立に対して、約6倍弱の差があることがわかります。
これはかなり大きな差です。
在籍学生数を比べると、確かに関関同立の方が、産近甲龍よりも1.49倍ほど多いです。
(2018年データ)
しかしその程度です。6倍も開けられるのは学生数の差だけではないことがわかります。
また、企業によっては6倍どころではない差を開けられています。
例えば、『富士フィルム』や『信越化学』については先ほど述べました。
加えて『三菱ケミカル』に対しては関関同立からは過去29カ年で227名が就職しているのに対し、産近甲龍からはたったの3名しか就職していません。
その他大学との比較
その他、旧帝大といった国立大学や早慶などの私立大学と比較してみましょう。
旧帝大が圧倒的で、早慶がそれに続きます。
MARCHと産近甲龍と比較しても約5倍近くの就職実績があり、意外にもかなり差を開けていることが分かります。
日東駒専にもやや負けていますが、他と比較するとかなり近い数字となっています。
データからわかること
産近甲龍は、大手化学メーカーを明らかに苦手としていることが分かります。
旧帝大では29カ年で約7000名弱が入社しているのに対して、産近甲龍ではその10分の1にも満たしません。
早慶やMARCH、関関同立にも大きく差を開けられております。
東京理科大で960名もの実績があることを考えると、産近甲龍はかなり深刻な状態です。
大手化学メーカーが苦手な理由
理系人材の不足
龍谷大を始め、産近甲龍が大手化学メーカーへの就職実績が良くなり理由としては、産近甲龍に『文系学部』が多いことが挙げられます。
一般に、化学メーカーの採用は理系からが多いです。
確かに、化学メーカーも事務職や営業職を採用しますが、絶対数としては研究職や技術職などの理系人材からの採用が多く、また営業であっても理系から採用することも多いです。
学生のレベル
産近甲龍については、周囲に関関同立が有り、また国立だと神戸大や阪大、京大などがあります。
そのため、優秀な人材をそれら大学群に吸収されてしまっている可能性はあります。
まとめ
産近甲龍は大手化学メーカーに対する就職実績において、他大学にかなり後れを取っています。(データは厳然と語っております。)
関関同立にも大きく実績で負けており
関関同立 >> 産近甲龍
となっています。
また、その他旧帝大や早慶、MARCHなどと比較しても差を開けられてしまっているのが実情です。
レベル的には『日東駒専』とほぼ同等です。
対策
就職に「偏差値」は絶対的な尺度ではありません。
自分が何をできるのか、どのように会社に貢献できるのか、企業側のニーズを汲み取ることができれば、逆転できる可能性は十分にあります。
確かに、産近甲龍から大手化学メーカーは『かなり厳しい』のが現実です。
しかし、データが示す通り実際に産近甲龍から就職している人もいます。
うまく戦略を練れば、『産近甲龍だからこそ』の戦い方ができるかもしれません。
逆に企業が期待しているのは、そこです。