今回は少し前に分析したサントリーに続き、飲料大手でビール国内2番手である『キリン』について、就職における『学歴の重要性』について考えていきます。
繰り返しになりますが、就活にあたって会社の採用校実績を知ることは重要です。
一流大学ばかり採用する会社、中堅大学からもある程度採用する会社など、間違いなく企業カラーが存在するためです。
まずは簡単にキリンの企業紹介をした後、採用大学等について考察していきたいと思います。
会社の概要
まずキリンの会社概要について簡単に見ていきます。
事業内容 | ビール、ビール以外の酒類、清涼飲料 |
主な商品 | 一番搾り、氷結、キリンレモン、午後の紅茶、FIRE など |
売上 | HDとして約1兆8600億円 (協和発酵キリン等の医薬品含む) |
平均年収 | 約969万円(総合職) |
特徴 | ・ビール国内No.2 ・売上ではアサヒなど大手3社に差を開けられている ・3年後離職率が少し高い(2014→2017年で離職率9.6%) ・『午後の紅茶』など馴染みの商品が多い ・サッカー日本代表のスポンサー ・院卒より大卒の採用が多い |
キリンはビールは国内No.2(キリンビール)であり、飲料も国内No.4(キリンビバレッジ)です。キリンビバレッジは『午後の紅茶』や『生茶』が有名で、売上が2857億円(2018年度)です。
他の飲料メーカーとの大きな違いは、『サッカー日本代表』の古くからのスポンサーという点。
サッカー好きな人が応募する傾向にあります!
求める人材は、『高い志を持ち、どんな環境にも前向きに取り組み、お客様に新しい価値を提供するためにリーダーシップを発揮できる人材』とされています。
あとアサヒやサッポロと違い、『人材』という表現になっています
大学群採用実績の比較
ではキリンにおける、大学群別採用数を見ていきましょう。
ここでは『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、キリンへの過去29カ年における採用実績の”偏り”を見ていきます。
アサヒビールやサッポロビールはMARCHレベルの私立大学からの採用が極めて多かったですが、キリンの場合は少しその割合が減り、その分旧帝大からの採用が増えています。
ボリュームゾーンとして最も多いのが旧帝大で、次点で早慶、3番手が難関国公立となっており、競合他社と比較し学歴志向がやや高くなっています。
MARCHと関関同立からも一定数の採用はありますが、競合他社と比較するとやや抑えめ。日東駒専と産近甲龍からの採用はキリンの場合もかなり限定されたものとなっています。
特に実績の多い大学ベスト10
では次に採用数の多い大学を、ランキングで見ていきます。
ただし大学によっては若干年数が異なる。
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 早稲田 | 261 |
2 |
慶應 | 195 |
3 | 東大 | 132 |
4 | 京大 | 105 |
5 |
阪大 | 86 |
6 | 同志社大 | 81 |
7 | 一橋 | 78 |
8 | 明治 | 71 |
8 | 九大 | 71 |
10 | 関西学院大 | 70 |
1位は早慶です。サントリーやアサヒなどの競合他社と同様の傾向と言えます。
次点で、東大・京大・阪大という旧帝大の一流大学が並び、九大もトップ10にランクインしています。
その他、一橋大が7位にランクインするなど、上位国公立大学からの採用が目立ちます。
学歴重要度
学歴重要度:(割と高い)
私が判断したキリンにおける就職での学歴重要度は、3.5です。
アサヒやサッポロと比較すると、旧帝大や難関国公立からの採用が目立ちます。
そしてその分MARCHや関関同立からの採用が少なくなっています。
加えてやはり学歴フィルターの影響からか、日東駒専や産近甲龍からの採用はかなり少なめとなっています。
- 旧帝大などの一流国公立からの採用が多い
- 早慶と旧帝大でトップ5が占められる
- MARCHや関関同立からの採用は優良大手企業にしてはそれなりにある
- 学歴フィルター(恐らく)により日東駒専や産近甲龍以下の大学からの採用は少ない
まとめ
キリンは旧帝大からの採用が多いなど、学歴重要度の高い企業であることがわかりました。
採用実績の傾向としてはアサヒビールやサッポロビールよりも、どちらかというとサントリーに似ていると言えます。
採用実績トップ2はやはりキリンの場合も早慶で、この両大学は飲料メーカーにとことん強いと言えます。
MARCHや関関同立といった中堅私大からの採用はそれなりにある一方で、日東駒専や産近甲龍からの採用は少ないという、飲料業界の採用傾向はキリンでも同様に見られます。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)