シェールガスは次世代のエネルギーとして何かと注目されています。
シェールガスとは何なのか?そして、そんなに良いものなのか?
この記事で詳しく紹介したいと思います!
Contents
シェールガスとは?
シェールガス
シェールガスは天然ガスの一つに分類されるガスです。
天然ガスはメタンやエタンなどが主要な成分であり、発熱効率が高いのが特徴です。
天然ガスにはベンゼンなどの芳香族は含まれていません。
天然ガスと何が違うのか?
シェールガスは天然ガスの一種と言いましたが、違いが一つあります。
それは埋蔵されている場所です。
天然ガスは割と地表近くの採掘しやすい場所にありますが、シェールガスは地中の奥底に眠っています。
つまり、採掘のしやすさが違います。
実は違いというのは、それだけしかありません。
組成などはシェールガスも天然ガスも、ほとんど同じであると言われています。
ただ天然ガスもシェールガスも、産地による組成の違いはかなりあります。
なぜこれまで注目されなかったのか?
なぜ最近になって注目されるようになったかというと、これまでシェールガスは採掘難易度が高く採掘できなかったためです。
油田やガス田など違い、シェールガスは2000~3000m下の岩盤に埋まっています。
そのため、2000年以前には技術的に採掘できなかったため注目されませんでした。
シェールガスはどこから来たのか?
太古の微生物が死滅した後、地中深くに堆積し、長い年月を掛けて化学変化したものが、石油成分です。
その石油成分の中で、そのまま深い岩盤層に取り残されて、熱分解などによりガスとなったものがシェールガスです。
シェールガスの元々の期限は、微生物やバクテリアなどの有機物であると考えられています。
シェールガスのメリット
エネルギー枯渇問題をサポート
石油や石炭などの化石燃料は近い将来、枯渇すると言われています。
シェールガスは一説には200~250年、また一説には700年分以上のエネルギー(187.5兆m3)が地中に眠っていると言われているため、エネルギー問題をかなり先延ばしすることが出来ます。
水素を豊富に供給
シェールガスには水素の原料となるメタノールが豊富に含まれるため、水素を大量に供給できると言われています。
そうなると燃料電池車(水素をエネルギー源とする自動車)の水素供給問題が一気に解決します。
水素の供給は、製油所や製鉄所の副生成物としてでる水素を利用しようとしていますが、これだけでは確実に足りないと言われています。
価格が安い
シェールガスを利用することで、石油を使うよりもエチレンやプラスッチックなどの化学品を大幅に安く製造することが出来ます。
シェールガスを使用することで、石油由来より20分の1~30分の1の価格でエチレンなどの基礎化学品を作れると言われています。
安価なシェールガスを使用することにより化学産業はかなり恩恵を受けます。
シェールガスのデメリット
ヘリウムが含まれていない。
一部の天然ガスにはヘリウムが0.5~1%含まれているため、これを様々な産業で使用しています。
シェールガスにはヘリウムが含まれないため、仮にシェールガスが広く使用されるようになると、世界的にヘリウムの供給が不足すると言われています。
地球温暖化を促進する可能性
シェールガスに多く含まれるメタンは発熱効率が良いため温暖化を抑制すると考えられていましたが、むしろメタンがもつ温室効果により、地球温暖化が進行すると近年では考えられるようになりました。
汚染水
シェールガス採掘の際に、地下水を汚染する危険性です。
シェールガスの採掘には凝集剤や防錆剤などの様々な薬剤を使用します。その薬剤が地下水を汚染する危険性がまず一つ。
もう一つは、採掘したシェールガスが、漏れ出して地下水に浸透する危険性です。
凝集剤は、泥水内の懸濁物質を凝集させて落とし、クリーンにするために使用。
防錆剤は、採掘機械の金属が錆びないようにするために使用。
その他、粘土調整剤、消泡剤、殺虫剤などを使用します。
ベンゼンが採れない
シェールガスにはベンゼンが含まれていません。
ベンゼンは人体に有害なので「環境に良い」というポジティブなイメージを持つかもしれませんが、そういうわけではありません。
ベンゼンは産業にとってなくてはならない化学物質で、プラスチックの原料であるスチレンモノマーなどもベンゼンからできます。
また、ゴムの材料となるブタジエンの原料であるブタンもほとんど採れません。
シェールガスの詳細な定義
シェールガスの「シェール」とは、泥岩の中でも特に固い頁岩(けつがん)のことで、泥岩が地圧により固形化したものです。
この頁岩は、地球上に広く分布しています。
シェールガスとは地下2000~3000mにある頁岩の中に含まれる天然ガスのことを言います。
現在(2018年10月)、65ドル付近なのでメリットがある状態と考えられます。
参考資料
また日本の大企業とシェールガスの関わりが解説されていて、業界研究にもなります。