今回は化学メーカーの準大手である『カネカ』に就職するにあたっての『学歴の重要性』を見ていきたいと思います。
カネカは売上が約5千億円規模なので、業界としては中堅~大手の間ぐらいにあたります。
ではカネカの採用実績校から、入りやすい大学などを考察していきましょう。
会社の概要
まずカネカがどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 樹脂、化成品、ライフサイエンス、食品など |
主な商品 | 塩ビ樹脂、機能性樹脂、マーガリンなどの食用油、検査キットなど |
売上 | 約5480億円 |
平均年収 | 約757万円 |
特徴 | ・塩ビ樹脂から出発 ・大きく4つの事業分野 【Material】【Quality of life】【Health care】【Nutrition】 ・発泡スチロールなどの高分子技術が得意 ・医薬品や検査キットなどの事業にも進出している ・また食品事業も手掛ける(カネカ食品(株)が販売) ・まさに『化学の会社』という感じ |
カネカが求める人材は、『自ら仕事の幅を広げ、若くからスケールの大きな仕事を担える人材』だそうです。
カネカは出発点は塩ビ樹脂(塩化ビニル樹脂)。
現在も信越化学、東洋塩ビ、東亜合成などとともに塩ビでは大手。
高齢化社会や環境問題に対応して、検査キットや医療機器、省エネ素材の開発も手掛ける。
カネカも高分子技術を用いた樹脂開発がコア技術です。
塩ビ樹脂などのMaterial分野は、カネカの売上の最も貢献している事業です。
またBtoCである食品事業にも参入するなど、異分野への積極的な投資が目立つ。
(販売はカネカ食品(株)が担当)
業績もよく、Materialに迫る勢いです。
2018年に全社売上が過去最高を更新。
大学群採用実績の比較
ではカネカの大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年におけるカネカの採用実績の”偏り”を分析します。
カネカの採用は旧帝大が多いです。
研究者タイプの学力的に優秀な層を獲得したい狙いがあると思われます。
次に多いのが難関国公立大学群ですが、これも同様の理由でしょう。
本社が大阪なので、関関同立からの採用も多いです。
日東駒専や産近甲龍の採用は、他の多くの化学大手メーカー同様、低いです。
この両者は本当に化学系の大手メーカーに弱いです。
特に実績の多い大学ベスト10
次に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 阪大 | 156 |
2 | 京大 | 129 |
3 | 神戸大 | 72 |
4 | 関西学院大 | 49 |
5 | 早稲田 | 48 |
5 | 九大 | 48 |
7 | 慶應 | 46 |
7 | 同志社大 | 46 |
7 | 関西大 | 46 |
10 | 広島大 | 31 |
本社が大阪なので、京大や阪大など関西の難関国公立からの採用が極めて多いです。
加えて広島大からの採用も目立ちます。
意外と早慶からの採用も多いです。
東大は26人で13位となっています。
基本、西日本の難関大学からの採用が多いが、早慶出身者も一定数居る。
学歴重要度
学歴重要度:(結構高い)
私が判断したカネカにおける就職での学歴重要度は、4.0です。
京大・阪大など旧帝大からの採用が極めて多いが、同時に関関同立や広島大などの中堅大学からの採用も割と多い。なので、それほど高学歴偏重というわけではない。
一方で、日東駒専や産近甲龍などの中堅やや下ぐらいの大学群からはほとんど採用がない。
この辺りのバランスから、学歴重要度を4.0としました。
- 旧帝大などの一流大学からの採用が極めて多い
- 同時に関関同立や広島大などの中堅大学からの採用も多い
- しかし、日東駒専と産近甲龍からの採用は極端に少ない
まとめ
カネカは技術系の会社らしく、一流大学からの採用が多い印象を受けます。
しかし、関関同立などの中堅大学からの採用も多いため、学力さえ足りていれば、大学名にあまり関係なく勝負できると思われます。
ただし、やはり日東駒専や産近甲龍からの採用は、他の大手化学メーカー同様にかなり少ないので難しいと思われます。
関関同立出身者も多いが、その下位大学群となるとかなり少数派となる。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)