今回は製薬業界における大手企業である『アステラス製薬』について、就職における『学歴の重要性』について考えていきます。
就活にあたって会社の採用校実績を知ることは重要です。
一流大学ばかり採用する会社、中堅大学からもある程度採用する会社など、企業毎の特色が存在するためです。
まずは簡単にアステラス製薬の企業紹介をした後、採用大学等について考察していきたいと思います。
会社の概要
まずアステラス製薬の会社概要について簡単に見ていきます。
事業内容 | 医療用医薬品 |
主な商品 | イクスタンジ(前立腺がん治療剤), ベシケア(過活動膀胱治療剤), エリガード(前立腺がん治療剤)など |
売上 | 1兆3003億円 |
平均年収 | 約1073万円(総合職) |
特徴 | ・武田薬品に次ぐ国内No.2 ・山之内製薬と藤沢薬品が2005年に合併して誕生 ・泌尿器・腎疾患・免疫・神経科学などが主力 ・米企業の買収により抗がん剤領域にも進出 ・平均年収が1000万円台と高水準 ・後発医薬品はやらずに新薬開発に集中 |
アステラス製薬は泌尿器系の医薬品が多いです。
また今後はスペシャリティ領域にシフトしていくとされています。
求める人材は、
『世界を舞台に、何事にも挑戦し続ける姿勢と「明日は変えられる」という”熱い思い”にあふれた人材』となっています。
一方で、早期退職も募っています。
2019年の4月にMRを中心として700名あまりを削減しました。
理由としては、国内主力製品(喘息薬シムビコートなど)の特許切れなどがあります。
また、欧米市場などにおける一部製品も、同様に特許切れを迎えています。
大学群採用実績の比較
ではアステラス製薬における、大学群別採用数を見ていきましょう。
ここでは『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、アステラス製薬の過去29カ年における採用実績の”偏り”を見ていきます。
アステラス製薬は旧帝大比率が高いのが特徴です。
化学大手などでは早慶と近似することも多いですが、アステラス製薬の場合3倍以上の差をつけて旧帝大生を採用しています。
一方、製薬会社の特徴通り、MARCHや関関同立などからの採用も多いです。
これはMR(営業職)採用のためです。
日東駒専や産近甲龍からの採用数も無視できないほどの多さとなっています。
特に実績の多い大学ベスト10
では次に採用数の多い大学を、ランキングで見ていきます。
ただし大学によっては若干年数が異なる。
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 東京理科大 | 206 |
2 |
東大 | 201 |
3 | 阪大 | 179 |
4 | 京大 | 161 |
5 |
早稲田 | 125 |
6 |
同志社大 | 95 |
7 | 明治 | 87 |
8 | 日本大 | 79 |
9 |
慶應 | 76 |
10 |
九大 | 63 |
旧帝大上位校&理科大からの採用が多い
旧帝大からの採用が多く、その中でも東大や京大(阪大)などの旧帝大でも学力上位大学の学生の採用が多いことが見て取れます。
一方、驚くべきことに採用実績No.1は東京理科大です。
東大を差し置いて、アステラス製薬へ最も採用されている大学となっています。
東京理科大は大手化学メーカー(信越化学、花王、etc)にも、相当数の実績があり就職に強い大学であることはよく知られていますが、さすがにアステラス製薬の実績No.1が理科大なのは意外かもしれません。
学歴重要度
学歴重要度:(結構高い)
私が判断したアステラス製薬における就職での学歴重要度は、4.0です。
アステラス製薬への入社における学歴重要度は『結構高い』にランクされます。
採用上位校が東大をはじめとする旧帝大上位校であるのが最大の理由です。
一方で、MARCHなどを含む中堅私立大学からも相当数採用されているので、4.5は避けました。
- 東大や京大を含む旧帝大上位校からの採用が多い
- 早慶のボリュームも採用
- しかし理科大が採用実績トップであり、中堅大学からの採用も多い
まとめ
アステラス製薬の採用傾向は、旧帝大重視であるという点と、他の製薬メーカーと同様にMR枠としての中堅私大の採用が多いことが特徴です。
加えて、理科大からの採用数が多くなっていることも特筆事項です。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)