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【ケムスケッチ】構造式を目的の形に描く(整える)方法【角度・向き】

ケムスケッチの使い方(アイキャッチ画像)

ケムスケッチで構造式を描いていると、自分が意図した向きに構造がなっていないことがあって、「その形じゃないんだけどなあ」という場合が多いと思います。
例えば、下図のような場合です。
構造式が間違っているわけではありませんが、意図した方向になっていません。
ケムスケッチって、ふつうに炭素をつなげて構造式を描いていくと、変な向きに結合が伸びていってしまい、目的の形から外れてしまうんですよね。

左が不本意な形。右が描きたい形。
ケムスケッチで描くαβ不飽和カルボニル
本当は右のように、カルボニル基(C=O)を上に向かせて描かせたい!

この記事では、このような場合にどのようにしたら『意図した形』に整えることができるかについて、解説します!

目的の形に描く方法

普通にCを伸長させてα,β不飽和カルボニルの骨格を描いていくと、意図した方向ではない角度に結合が伸びていってしまいます。
上図の左のような感じです。
それを上図の右のように、カルボニル基(C=O)を上にした美しい構造式に描くためには、まずマニュアルでCを伸長させる必要があります。

①マニュアルでCを伸長

まず自分で無理やり意図する形になるように、マニュアルでラフに構造を描きます。

ポイントはまずラフでいいと言うこと。マニュアルではきっちり描くことは100%不可能です。

イメージとしてはこんな感じです↓
適当に描いた補正前のαβ不飽和カルボニル

カルボニル基が上になり、かつ全体的に”横”な感じになるように、無理やり構造式を自分で描きました^^
・・すごいラフですね。
これでいいんだよ!後で綺麗にするから!!

②Clean Structureを行う

で、次にラフに描いた構造式を”選択”して、”Clean Structure”を行います。
Clean Structureは上のタブの『Tools』から選んでもいいし、『Structure』モードの中央右上にある赤い矢印アイコンをクリックしても良いです。

Clean Structureのアイコン

CleanStructureのアイコン2
それを押すと、次のように構造の”歪み”が直されて、綺麗な構造式になります↓

Clean Structure後のα,β不飽和カルボニル
適当に描いた補正後のαβ不飽和カルボニル
見ての通り、ラフさが解消されて綺麗な構造式になりました♪
お~、綺麗ですね♪

普通に描いた後に『Clean Structure』をやっても不可能

疑問点として、「別にマニュアルで描かなくても、普通にCで伸長させて骨格を描いた後、Clean Structureをすれば目的の角度になるのでは?」と思った方がいらっしゃるかとおもいます。
僕も最初はそう思いました。

しかし、やってみればわかりますが、全然そうはなりません!

上図左の構造を、いくら『Clean Structure』しても全く上図右のようにはなりません。微妙に角度が変わるだけです。
“回転”等の操作を行っても無理ですか?
それが無理なのです。

なので、やはりまずはマニュアルで意図する形の構造を、ラフに描かないといけないのです。

まとめ

ケムスケッチで描くαβ不飽和カルボニル
ケムスケッチで目的の形の構造式を描くには、

  1. まずはマニュアルでラフに構造を描く
  2. 『Clean Structure』で形を整える

の2点を行えば大丈夫です。
今回は、α,β不飽和カルボニルを用いて、カルボニル基が上になるような角度の構造式を描きましたが、この方法を用いればこれに限らず、(ある程度)任意の形の構造式を描くことが可能です。

まずはラフに描きましょう。その後Clean♪

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