化学の解説

カルボン酸のカルボニル基(C=O)へ求核付加が起こりにくい理由

カルボニル基(C=O)は、そのカルボニル炭素がδ+性を帯びていることから、求核剤による攻撃を受けることが知られています。
有名な反応ではアルドール縮合マイケル付加などがあります。

しかし、アルドール縮合が起こるのは一般にアルデヒド(R-CHO)ケトン(R1-CO-R2)であり、カルボン酸(R-COOH)への反応はあまり聞きません。

それは何故なのでしょうか?
同じカルボニル基を持つにもかかわらず、なぜカルボン酸のカルボニル炭素へは求核剤がアタックしないのでしょうか?

カルボン酸のカルボニル基はδ+性が弱い

結論から言うと、カルボン酸のカルボニル炭素はδ+性弱いためです。
というのも、隣の-OH基の酸素から電子供与を受けるためです。
例えば、カルボン酸の一種である酢酸(イオン)のカルボニル炭素を見てみます。

酢酸イオンの共鳴構造式
酢酸イオンの共鳴

共鳴構造を目てわかる通り、-OH基酸素から電子を供与されます。
その結果、カルボニル炭素にπ結合が描けます。

二重結合は電子豊富

つまりカルボニル炭素のδ+性が、電子により中和されます。
これでは求核剤による電子供与を受けずらくなりますね。

↑は酢酸”イオン”の共鳴構造ですが、ニュートラルな酢酸でも同じです。

酸素上の非共有電子対が移動するだけ。
やはりカルボニル炭素に二重結合が出来る。

そのため、カルボン酸のカルボニル炭素(C=O)は付加反応をほとんど起こしません。
カルボン酸のカルボニル炭素は求電子性が弱い

求核剤による反応は期待できない

というわけで、カルボン酸には求核剤による反応は期待できないと言うことになります。

カルボン酸のカルボニル炭素をターゲットにして、アミンやその他ルイス塩基で何か相互作用を起こそうと考えているなら、それは厳しいかもしれません。

カルボン酸への求核付加イメージ
カルボン酸への求核付加反応

少なくとも、水系では厳しそうです。
ただ溶媒条件などによっては不可能ではないかもしれないので、諦めずに検討するのも良いかもしれません^ー^

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