前回の三井物産に引き続き、今回も5大商社の分析として住友商事の学歴重要度を見ていきます。
全5回で、日本を代表する総合商社である5大商社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅)の分析を行っており今回が第4回です。
この記事では住友商事の企業概要と、就職データから見えてくる採用の傾向について分析したいと思います。
会社の概要
まず住友商事がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | トレーディング(卸売り手数料)、投資(権益、金利、配当)、経営など |
主な出資先 | サミット、トモズ、SCSK、ジュピターテレコムなど |
売上 | 5兆3,392億円 |
平均年収 | 1,389万円(42.6歳) |
特徴 | ・財閥系(住友) ・非資源系が強い(非資源>資源) ・資源は金属資源などがメインで原油系はそれほど多くない。 ・伝統的に鋼管事業が強かった。 ・ジュピターテレコムなどメディア事業に強い。 ・米新興EVメーカー「リヴァイ」の大株主。 ・堅実な社風と言われているが、たまに大赤字を出す。 |
サミットやSCSKなど、非資源系の関連会社が強いのが特徴です。伊藤忠商事とその点は似ているかもしれません。
ただし、住友商事は伊藤忠商事と違い、化石資源の一般炭や原料炭権益や火力発電所を比較的多く保有しており、環境団体から批判されることがあります。
また、マダガスカルの銅事業など、定期的に大きな減損を出し、大赤字に転落しています。
大学群採用実績の比較
では住友商事の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における住友商事の採用実績の”偏り”を分析します。
5大商社の採用傾向は驚くほど一致しています。すなわち
早慶>旧帝大>>難関国公立 or MARCH>関関同立>>日東駒専 or 産近甲龍
となっているのが基本です。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 慶應 | 803 |
2 | 早稲田 | 624 |
3 | 東大 | 406 |
4 | 京大 | 315 |
5 | 一橋 | 237 |
6 | 神戸大 | 221 |
7 | 上智 | 214 |
8 | 阪大 | 193 |
9 | 立教 | 190 |
10 | 青山学院 | 186 |
慶應・早稲田・東大・京大・一橋大の強さがここでも示されています。
特に慶應義塾大学は他の5大商社でも共通ですが、強いです。
特徴的なのは神戸大のランクインです。
他の5大商社にも神戸大は強いですが、住友商事ではトップ10にランクインしています。
学習院大と日本女子大は、ランク外こそなりましたが、それぞれ11位、12位とやはりここでも存在感を示しています。
大手メーカーに強い”東京理科大”は、住友商事への実績4人しかいません。
“大東亜帝国”と呼ばれる大学群からの採用もほぼありません。
学歴重要度
学歴重要度:(かなり高い)
私が判断した住友商事における就職での学歴重要度は、4.5です。
- 5大商社型の採用傾向
- 早慶と最上位旧帝大および一橋が抜群に強い
- とりわけ慶應が強い
- 日東駒専と産近甲龍、大東亜帝国クラスの採用はほぼ皆無
- 女子大や学習院大、成蹊大、成城大からは他の5大商社同様、採用が多い
まとめ
住友商事も、5大商社型の採用傾向であります
早慶、東大・京大・一橋がやはり強いです。
他の5大商社と同様、MARCHや関関同立クラスからはある程度の採用はありますが、日東駒専、産近甲龍、大東亜帝国といった層からの採用はかなり厳しくなっています。
ただし他の5大商社と同様、日本女子大などの女子大からの採用は多くなっています。
住友商事の場合、関東圏のみならず神戸女学院などの関西系の女子大からも多くの採用が見られます。
加えて、学習院大や成蹊大、成城大なども強くなっています。
住友商事も、慶応義塾大が採用実績断トツのNo.1でした
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)