就活などで石油会社を視野に入れている人も多いはず。
しかし、イマイチ実生活とのなじみが薄いため、企業に関してよく理解できていない人が多いと思います。この記事では、石油業界の研究として最も基本的な分類について、紹介します。
パターン①石油開発
アップストリームと呼ばれ、石油業界では最も上流に位置する業界で、海上や砂漠地帯で採掘を行ったり、新たな油田の探索を行ったりしています。
事業内容としては非常にわかりやすいですが、日本企業はこの分野に関して世界的に地位があるわけではないので、就活や転職ではどちらかというと地味な存在です。
企業活動のパターンとしては2種類あって、1つは日本企業が自ら開発を行うパターン。もう一つは出資(投資)という形で開発に携わるパターンです。
開発を主導している企業事例としては、INPEX(国際石油開発帝石)とJAPEX(石油資源開発)が該当します。自ら採掘地に赴き、原油などの採掘から貯蔵・運搬までを担います。
一方、権益などへの出資という形では、三菱商事などの大手商社が主に該当します。
ただし、INPEXやJAPEXも資源開発だけ行っているわけでは無く、権益への投資活動も行っています。(なので開発と権益投資の両方を事業としています。)
パターン②石油精製
原油から、ガソリンやナフサなどを精製する業界です。
知っていると思いますが、原油の中には有用な様々な炭素化合物が含まれていて、それを常圧蒸留塔により沸点で各留分を分離しています。その役割を担うのが石油精製企業です。
重油などの、『本来はガソリンになり得ない成分』を、触媒技術などでガソリンにまで分解する技術などが、石油精製企業の腕の見せ所になります。
ただ昔はガソリンが最も重宝されましたが、近ごろは環境意識の高まりや人口減少などから、ガソリンが余剰になってきており、逆にエチレンなどの原料となるナフサの需要がやや増しています。
石油精製企業の例としては、ENEOS(ENEOS)、出光昭和シェル、コスモ石油などが該当します。
近年、海外とのコスト競争力を高めるために企業合併が繰り返し行われ、その結果、現在の3強に落ち着きました。
パターン③石油化学
石油精製企業が原油から精製したナフサを利用して、エチレンやプロピレン(およびBTXなどの芳香族)などの繊維/プラスチックなどの原料になる化学基礎品を作りだす業界です。
これは基本的には総合化学メーカーの担当領域です。
「石油化学業界なのに総合化学?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は総合化学メーカーこそが石油産業の中心役者です。
総合化学メーカーとはもともとエチレンプラントを保有していて、石油化学事業を行っている企業のことを指していました。(現在は多少変わってきていますが。)
なので石油化学というのは何も石油精製企業のことを指すわけでは無く、ましてinpexのような資源開発を行うアップストリーム企業のことを言うわけでは無いのです。
石油化学業界の企業例としては、超大企業で言えば三菱ケミカルや三井化学、旭化成などが該当し、中堅どころで言えば東ソーや昭和電工(十分デカイが)などが該当します。
石油化学に関してややこしい点①
注意点として、
それは、ENEOS(ENEOS)と出光昭和シェル(
石油化学に関してややこしい点②
もう一点ややこしいのが、石油化学事業専門で行う合弁会社の存在です。
言い換えるとエチレンプラントの運営だけを行っている企業です。国内に2社あります。
(「京葉エチレン」と「三菱ケミカル旭化成エチレン」)
こういう会社の存在が、石油会社への”不信感”を増大させるのではないでしょうか?笑
ただし新卒での就活には候補に挙がる企業ではなく、社員は基本的には出資企業からの転籍がメインとなります。なので気にする必要はありません!
三菱ガス化学は?
石油会社と同じように海外で掘削を行ったり、基礎化学品の製造を行っている会社があります。
それは三菱ガス化学です。この会社は石油会社のどのパターンに属すのか?と気になる人もいるかもしれませんが、三菱ガス化学は『天然ガス』のみ扱っています。
つまり石油会社のように石油または石油由来の原料を扱っていないので、石油会社には該当しません。
まとめ
国内の石油会社には事業内容から主に3種類あるというお話をしま
基本的には石油資源開発/石油精製/
『石油』と聞けば、