今回も金融分野になりますが、政府系金融機関のトップで我が国の中央銀行として知られる、日本銀行(日銀)の学歴重要度を見ていきたいと思います。
政府系金融機関は2020年4月時点で日本には5機関ありますが、日銀はその中でも最も政策的に重要な金融機関です。
今回はそんな日銀に採用されやすい大学について考察します。
組織の概要
まず日本銀行がどのような組織か簡単に見ていきます。
事業内容 | 日本銀行券の発券、金融政策、国際関係業務、金融市場研究など |
主な商品 |
– |
経常収益 |
– |
平均年収 | 約850万円 |
特徴 | ・政府系金融機関 ・ただし政府とは建前上独立していている ・歴代総裁は東大出身者が多い。(黒田総裁も東大出身) ・紙幣を発行できる唯一の機関 ・公開市場操作など様々な金融政策を行う ・近年は異次元金融緩和により世界的に動向が注目されている |
政府系金融機関のトップ
日本銀行は言うまでもなく政府系の金融機関です。
一方、完全な”政府そのもの”というわけではなく、ある程度政府とは独立した存在になっています。
実際、JASDAQに上場もしているので、私たち一般投資家も出資することが出来ます。
『紙幣の発券』『銀行間の送金(銀行の為の銀行)』『公定歩合操作』『公開市場操作』『為替介入』『企業物価指数などの経済統計作成』『金融に関する研究』などを行っています。
その全ては『物価の安定』『金融システムの安定』を目的に行われています。
大学群採用実績の比較
では日銀の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における日銀の採用実績の”偏り”を分析します。
日銀の採用校実績を見てみると、明らかに旧帝大と早慶が多いことがわかります。
日銀総裁の出身大学を見ても、東大と慶應義塾大(と一橋大)しかいないことから考えても納得です。
同じ政府系金融機関である「日本政策金融公庫」などと比較しても、旧帝大の割合が非常に大きくなっており、逆にMARCH・関関同立からの採用はかなり少なくなっています。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 東大 | 440 |
2 | 慶應 | 329 |
3 | 早稲田 | 205 |
4 | 一橋 | 84 |
5 | 京大 | 76 |
6 | 津田塾大 | 74 |
7 | 青山学院 | 69 |
7 |
東京女子大 | 69 |
9 | 上智 | 68 |
10 | 日本女子大 | 60 |
赤色が私大ですが、10位まで意外と私大が多くなっています。
やはりトップは東大で、一橋大と京大も4位5位にランクインするなど最難関国公立からの採用が多いですが、一方で津田塾大、東京女子大、日本女子大などの女子大からの採用も多くなっています。
早慶が2位3位を占めるなど、やはり日銀への就職でも実績を出しています。
ちなみに他の旧帝大はと言うと、大阪大が20位(28人)、名古屋大が21位(27人)、九大・東北大が24位(24人)にランクインするといった調子で、結構少ないです。
これは同志社大など関関同立とほぼ同程度です。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
学歴重要度
学歴重要度:
私が判断した日銀における就職での学歴重要度は、4.5です。
以下に理由を示します。
- 最高学府である東大からの採用が極めて多く圧倒的である
- 次点で早慶、一橋、京大と、高水準の学歴が要求される
- 中堅女子大からの採用も多いが総合職採用とは限らない
- MARCH・関関同立からの採用は少なく、日東駒専や産近甲龍も非常に少ない
- 帝京大や甲南大、武庫川女子大など、採用実績0の大学も存在する
これらの理由から、学歴重要度は4.5としました。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
まとめ
今回は日本の政府系金融機関で最も重要な組織である、日本銀行の大学別採用実績を見ていきました。
その結果、他の政府系金融機関とは一線を画し、実績トップは圧倒的に東大出身者で占められました。
また、その他上位は早慶、一橋、京大などの高学歴な部類とされる大学であり、学歴の要求は高いと判断されました。
そのような理由から、日銀への就職(特に総合職・特定職)に関しては、学歴が非常に重要なファクターになると考えられると言う結論になりました。