今回は九州地区最大の鉄道会社である九州旅客鉄道(JR九州)の学歴重要度を見ていきます。
JR九州は、九州地方を基盤とした鉄道事業を柱とする社会インフラ企業で、規模としてはJRの中で4番手になります。
鉄道事業については毎年赤字でしたが、2017年度に黒字化を達成しています。
今回はそんなJR九州に採用されやすい大学について考察します。
会社の概要
まずJR九州がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 旅客、流通、不動産、ホテルなど |
主な商品 |
在来線、九州新幹線、駅、ホテル、不動産など |
売上 | 4,326億円 (経常利益:506億円) |
平均年収 | 550万円 (2018年度 全従業員ベース) |
特徴 | ・九州および山口県を基盤とする鉄道会社 ・在来線の他、九州新幹線も持つ ・流通、不動産、ホテル、商業施設など経営の多角化を行う ・タイにおけるホテル事業など、海外展開を進める ・東証への株式上場は2016年とかなり最近 ・2017年度に鉄道事業がはじめて黒字化した ・2020年現在も、赤字線区は運行路線全体の9割前後を占める ・新型コロナの影響で収益が悪化している ・3年後離職率20.8% |
経営の多角化に力を入れる
JR九州は他のJR各社と同様、不動産やホテル、旅行、飲食、船舶、建設などの非鉄道事業も力を入れており、収益にも貢献しています。
また、現在も鉄道事業は営業利益の半分程度であり、不動産や建設業などの非鉄道事業が利益を支えています。
JR九州はローカル鉄道が多いため赤字路線が多く、経営判断が問われています。
ただ、路線の廃止は考えていないとのこと。
大学群採用実績の比較
ではJR九州の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年におけるJR九州への採用実績の”偏り”を分析します。
旧帝大が多い
大学群別に集計すると、旧帝大からの採用が多くなっています。
それ以外は、関関同立が少し多いですが、だいたい満遍なく採用されています。
後述しますが、実は旧帝大よりも”九州地方の大学“からの採用が、極めて多くなっています。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 福岡大 | 159 |
2 | 九大 | 109 |
3 | 西南学院大 | 47 |
4 | 立命館大 | 46 |
5 | 早稲田 | 29 |
6 | 慶應 | 29 |
7 | 阪大 | 20 |
8 | 同志社大 | 20 |
9 | 東海大 | 17 |
10 | 広島大 | 16 |
九州地方の大学が極めて多い
大学別の採用数ランキングを見ると、明らかに九州地方に偏った大学別採用を行っていることが分かります。
1位~3位はすべて九州地方の大学で、4位以下を圧倒しています。
特に福岡大学からの採用が多く、九大よりも多くなっています。
トップ10にランクインした旧帝大は九大の他には、阪大のみです。
ただ12位、13位には東大、京大であり、高学歴大学も少なくはないです。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
学歴重要度
学歴重要度:
私が判断したJR九州における就職での学歴重要度は、2.5です。
以下に理由を示します。
- 採用トップは九州の私大である福岡大学で圧倒的
- また1~3位は全て九州地方の大学である。
- そのため、大学の格よりは土地柄が優先される印象
(単に採用試験を受ける側に九州出身者が多いだけかもしれないが。) - 関関同立など大学のランクに関わらず、幅広い層が採用されている
- 12位、13位に東大・京大が来るなど、高学歴大学の採用もある
- 結局、満遍なく幅広く採用されている
これらの理由から、学歴重要度は2.5としました。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
まとめ
九州地方最大のの鉄道会社である、九州旅客鉄道(JR九州)の採用傾向について見ていきました。
その結果、採用上位1~3位の大学が福岡大学や九州大学などの九州地方の大学で、4位以下を圧倒していました。
東大や京大、早慶などからも採用はされていますが、それよりも九州地方の大学かどうかの方が重視されており、かなり地元志向な会社であると推測される結果になりました。
九州以外に関しては、早慶や関関同立、日東駒専など幅広いレベルの大学群から採用されており、そこまで偏差値的な要素の影響性は強くありませんでした。