環境・エネルギー

【企業研究】三菱商事の成長分野は?(2021年度)

大手総合商社である三菱商事の今後の成長分野などについて、三菱商事IR部長の寺田達彦さんのお話や各種資料を参考にまとめます。(2021年1Q)

主要な成長分野(4つ)

①資源

銅は自動車に多く使われているが、現在内燃機関から電気自動車(EV)への転換が進んでいる。EVは既存の自動車に比べて約4倍の銅が必要などと言われており、中長期で堅調と予想している。
三菱商事では、南米にケジャペコ鉱山などいくつか鉱山を保有している。

天然ガス

天然ガス(≒LNG)は石炭や石油に比べて環境負荷が小さいエネルギーというだけでなく、水素を取り出すことができ、さらにはその際にCCSやCCUなどで二酸化炭素を出さなくすることもできる。
北米カナダのLNGプロジェクトが楽しみ。

②再生可能エネルギー

オランダのENECO社を買収した。
日本ではまだまだ風力発電などが盛んではないが、ヨーロッパでは風力発電の技術と理解がある。
今後、日本でも風力発電がもっと取り入れられると考えられるし、現在入札も始まっている。時代を先取りできていると自負している

その他、水素に関しても”千代田化工”,”三井物産”,”日本郵船”とともに取り組んでおり、実証実験も済んでいる。
アンモニアにも取り組んでいる。

ただし、再エネ関連はまだまだ収益の柱にはなっていない。これから。

水素は”SPERA水素”と言われる水素で、「メチルシクロヘキサン(MCH)」のこと。

spera水素(千代田化工)(引用:千代田化工建設HPより)

③自動車

東南アジア、特に対インドネシアでの事業が足元で非常に好調であり、今後も重要なビジネスであり続ける。

④不動産

デジタル需要により、特にデータセンターなどが活躍する。

現状の強み

1,700を超える関連企業、国内外の色々なパートナーとの関係。
また、これまで三菱商事が積み上げてきた分散した、お客さんとの強いパイプを持った事業ポートフォリオ。資産の中で偏りがなく、キャッシュフローもしっかりしている。

その他

化石燃料のリスクについて?

ここ数年でESGの特にE(Environment)の波がきている。
電源に関して、風力太陽光地熱等、着実に比率が高まってくる。
一方、エネルギーの安定供給という観点からは、再エネだけではまだまだ時間がかかる。
その点から、化石資源の必要性はまだ続く。特に途上国や新興国などは、これから経済発展により需要が続く。
ただ、その中でもCO2の排出量によってカテゴリー分けが必要。
石炭は徐々になくなっていくだろう、次に石油
ただし、天然ガスはまだまだ活躍する

石炭の新規投資について

石炭については新規の投資はしない。
今行っているのは、以前から検討していたもの。

コロナの影響は?

変異株等、まだまだ影響を注視していかなければならないが、現状はコロナの影響は脱したと言える。
年間3,800億円の利益目標に対して、1Qでほぼ50%を達成している。
ただ繰り返しになるが、今後も予断は許さない。

印象

三菱商事はかなり脱炭素にも力をいれて取り組んでいる印象。
実際は石炭石油権益からの収益が現状はかなり大きいが、将来を見据えて水素やアンモニア、風力などに取り組んでいる。
化石燃料も否定しているわけではなく、環境負荷の小さい天然ガスにはむしろ積極的に投資している。天然ガスは将来性が高く、三菱商事の個人投資家としてはこの判断は大いに歓迎している。

食品ロスの解決などにDXを取り入れようとしているが、こちらは収益化なども含めてまだまだこれからという印象。再エネもまだ収益化はこれから。

意外に自動車(いすゞ自動車、三菱自動車)の事業が東南アジアにて好調で収益寄与が大きい。

1,700を超える多数の関連会社との連携や、これまで培った洗練されたポートフォリオ、および人材が三菱商事の強み。
バフェット率いるバークシャーとは時々意見交換をしているが、相手のこともあるため詳細は控えるとのこと。

足元の石炭価格は高騰しているので、石炭への新規投資はしないと言い切ったのは少し驚きました。アンモニアやバイオマスとの混焼で低炭素化は実現できます。しかし、今のところこの決断は支持したいです。

参考:個人投資家説明会

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