2021年10月現在、原油、天然ガスなどの資源価格が高騰しています。
アフターコロナ、脱炭素、金融緩和などと相まって、今後もこれら資源価格の高騰は続くと予想されています。(GSは年末の原油価格100$を予想)
株式投資にあたり、これらの恩恵を享受できる企業に投資したいものですが、そのためには事業構成など特徴について知っておかなければなりません。
「原油」「天然ガス」の生産量が多く、利益を出している企業ほど資源高騰の恩恵を受けそうです。特に天然ガスは化石燃料の中では最もクリーンであり、CCUS、水素なども検討可能な脱炭素関連でも有望な資源です。
この記事では、世界の石油メジャーについて比較しました。
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石油・天然ガス生産量の世界トップ10
石油生産量の世界トップ10
石油生産量については、5社の中では「ExxonMobil」が世界7位にランクインしています。
BPも8位となっています。
天然ガス生産量(千b/d)の世界トップ10
天然ガス生産量については、5社の中では「Shell」が世界6位にランクインしています。
他は、ExxonMobil、BPもそれぞれ7位、9位となっています。
石油製品販売量(千b/d)の世界トップ10
石油製品販売については、「Shell」が世界トップです。
他、BP、ExxonMobilなども上位です。
大手5社の石油・天然ガス生産量
石油生産量(千b/d)
エクソンモービル(ExxonMobil)が5社の中では最も石油生産量が多いです。
原油価格は現在WTIで80$近辺ですが、今後も上昇が続くと予想されているため、エクソンモービルは特に「買い」です。
天然ガス生産量(千b/d)
前述の通り、原油よりも天然ガスの方が環境負荷が小さいなどの理由で、将来性が高いと考えられています。
シェルとエクソンモービルは天然ガス生産が多いので、この2社は特に有望視できるかと思います。
石油メジャー大手5社の事業構成
エクソンモービル、ロイヤルダッチシェル、Chevron、BP、Totalの5社についての事業別の構成比(利益ベース)を示します。
各社、原油や天然ガスの開発だけを行っているわけではなく、下流の石油精製や石油製品製造なども行っています。
上流(石油、天然ガスなど)の利益割合がどれほど大きいか確認します。
ロイヤルダッチシェル(Shell)
「ガス」「上流」の合計が63%と、利益への寄与がかなり大きいことがわかります。
エクソンモービル(ExxonMobil)
エクソンモービルも54%が上流側の事業からの寄与です。
Chevron
Chevronについては、上流由来の利益が72%もあります。
BP
BPも上流側の利益が58%と過半数となっています。
Total
Totalも66%が上流側(ガス含む)と、かなり高い割合となっています。
つまり各社ともに利益の半分以上が、石油や天然ガスを中心とした資源権益からの利益となっています。
利益における上流割合
5社の中では「CHEVRON」が石油・天然ガスなどの生産からの利益寄与が大きいです。
ただ前述の通り、各社とも5割を超えており高水準です。
まとめ
シェルやエクソンモービルなどは、石油精製や化学事業による利益以上に「資源開発」による寄与が多いことがわかりました。
仮に資源価格の高騰が続けば、十二分にその恩恵を受けることができると考えられます。