環境・エネルギー

【電気自動車】わかりやすいエコカーの解説!【燃料電池車】

【電気自動車】エコカーとは?【燃料電池車】

電気自動車とか燃料電池車とかEVとかFCVとか、よく聞くことが多いですが実はあまり詳しく知らない人も多いのではないでしょうか?
この記事ではエコカー関連の情報をまとめました。

エコカーとは?

ガソリン車に代わる、環境に優しいクリーンな車という意味合いを持ちます。

  1. 電気自動車や燃料電池車
  2. ガソリンとのハイブリッド車
  3. ガソリン車だが低燃費・低環境負荷の車

基本的にはこの3タイプですが、特に次世代型である①と②の車《電気自動車燃料電池車ハイブリッド車》のことを指します。

電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)

ところで、電気自動車(EV)燃料電池車(FCV)って全く別物ということを知ってましたか?
どちらもクリーンで環境に優しい車には間違いありませんが、両車はまったく別モノなんですよ。
電気自動車はよくEV(Electric Vehicle)とよく略されます。
対して燃料電池はFCV(Fuel Cell Vehicle)とよく略されます。
電気自動車は電気を充電して走りますが、燃料電池車は自分で発電して走るという点で異なります。

電気自動車(EV)

電気自動車は充電設備からバッテリーに電気を充電して、そのエネルギーで車を走らせる。

燃料電池車(FCV)

燃料電池車は『水素』を水素ステーションなどで補充して、水素と酸素を車の中で反応させて電気を作る。
すなわち燃料電池車は車の中で発電しながら走行する。

ちなみに燃料電池車の『酸素』は潤沢に存在する外の空気から取り込みます。
どちらもガソリン車と比較して

  • 燃費が良い
  • 二酸化炭素や窒素酸化物などの環境に悪い物質をあまり輩出しない

などの利点があります。
EV車は現時点でガソリン車の1/6の燃費で済みます。
(ガソリン130円/リットル & 夜充電)
FCVについては現時点では水素の価格が高いため、ほぼガソリン車と同額の燃費となっているようです。

現時点でのエコカー燃費

・電気自動車(EV)はガソリン車の約1/6で済む。
・燃料電池車(FCV)はガソリン車とほぼ同じ。

プリウスは『電気自動車+ガソリン車』です。
電気自動車とガソリン車を組み合わせることで、燃費の向上を実現しています。
(燃料電池車はプリウスとは関係ありません。)

電気自動車の動向

電気自動車ev
電気自動車は各社力を入れて取り組んでいます。
特に日産は100%電気自動車であるリーフ既に実用化しました。
ダイソンやダイムラー、テスラなどの海外メーカーに加え、パナソニックもバッテリー開発に数千億円規模で投資しています。

全固体電池

とは言え、現状のEV車には航続距離・充電時間・安全性などに関する課題も多く、次世代型のバッテリー開発が求められています。
その中で、トヨタ自動車の動向には注目です。
基本的に現状の電気自動車のバッテリーにはリチウムイオンバッテリー(LiB)が使用されていますが、これに変わる電池として全固体電池の研究開発が進んでいます。
トヨタは従来型の電気自動車の開発には出遅れましたが、代わりに次世代型の電池である全固体電池の開発を東工大とともに進めています。
2022年を目途に実用化(実際に全固体電池を搭載したEV車を販売する)を計画しています。楽しみです。
全固体電池は電解質が固体という化学的に見て非常に興味深い電池です。固体の中をイオンが移動するという極めて面白い性質だと言えます。
全固体電池には

  1. 充電時間が短い(数分でフル充電)
  2. 安全
  3. 大容量
  4. 長寿命
  5. 小型

などの従来型のリチウムイオン電池にはない利点があり注目されています。
『安全』って何が安全かというとリチウムイオン電池と違って電解質に液体を使用していないため発火の心配がないことです。
サムスンのスマホが飛行機の中で発火する事件がありましたが、このようにリチウムイオン電池は引火性である有機溶剤を電解質に使用しているので常に発火の危険性があります。
対して全固体電池は固体なので発火の心配がないのです。
その他、『高速充電』『大容量(=航続距離が長い)』『長寿命(リチウムイオン電池と違い劣化しにくい)』など様々な利点があります。
現在のところ、アカデミックな系の論文はあまり世に出ておらずトヨタがトップシークレットで開発している状況です。
今後の全固体電池に関連したトヨタの動向には目が離せません。

・全固体電池搭載のEV車は、トヨタが主導で開発を行っている。

一方で、全固体電池に関しては『まだ世間で言われているほど性能が良くないのでは?』という懐疑的な見方も存在します。
トヨタが内内で開発を進めているため、世の中に現状のレベルが公表されていないそうです。
充電速度の飛躍的な向上や、容量の増大というのは固体電池であってもまだ技術的にもかなり難しいと見られていて、2020年代に販売されるトヨタの燃料電池車は『取り敢えず出すだけ』になると予想している識者もいます。

・全固体電池の性能はまだ不明点も多い。

燃料電池車(FCV)の動向

燃料電池車fcv
トヨタは『燃料電池車』の開発にもの凄く力を入れて取り組んでいます。
凄いですね。全固体電池のEV車のみならず、燃料電池車の開発にも取り組んでいるのですから。
燃料電池車はトヨタの『MIRAI(ミライ)』が有名ですが、『究極のエコカー』は燃料電池車であると思います。

  1. 燃料電池車は水しか輩出しない
  2. 水素は石油精製や製鉄所の副生成物を利用できる
  3. 航続距離が長い

といった利点があり、EV車はなんだかんだ電気を作るのに発電による化石燃料もしくは原子力発電・自然エネルギーの使用が不可欠でしたが、燃料電池車は水素と酸素で自分の車の中で発電するので、二酸化炭素排出量がゼロにできる可能性をもったエコカーです。
ただ現状はENEOSや出光興産などの製油所から発生する水素を利用したり、新日鉄などの鉄工所から発生する水素を利用しなければならないので、二酸化炭素排出ゼロとは言えない状況では有ります。
今後、太陽光を利用して水から水素を発生させる技術が触媒技術とともに発展すると、希望が見出せます。

問題点は

  1. とは言っても水素の供給が難しい
  2. 水素ステーションなどのインフラ整備に多額のコスト
  3. 電気自動車の性能アップによる燃料電池車のメリット消滅

などがあります。
現状、製油所や製鉄所から発生する副生成物である水素のみではガソリン車の全てを代替するまでには至りませんし、それ以外の水素発生方法もまだ確立していない状況です。
さらに水素ステーションなどのインフラ整備には通常のガソリンスタンドの5倍程度(5億円ほど)が掛かります。
また全固体電池もそうですが電気自動車(EV車)の性能が上がれば、燃料電池車のメリットである航続距離の利点が脅かされる可能性があります。
日本ではトヨタが先陣を切って燃料電池車(FCV)の開発を行っていますが、海外ではダイムラー社などの海外メーカーの中にはFCVを諦めたところもあり今後どうなるかは不明です。

ここまでのまとめ

・電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)は違う・別モノ
・EVはリチウムイオン電池を使用しているが問題点もある。
・EVで今後、全固体電池が使用される可能性がある。
・全固体電池はトヨタが主導で開発しており2022年を目途に実用化。
・FCVも国内ではトヨタが主導で開発。
・FCVが究極のエコカーと言え環境負荷が小さいが技術的課題も多い。

ガソリン車はどうなる?

ガソリン車
EVやFCVの台頭によりクリーンで環境負荷が小さい自動車が増えるのは喜ばしいことですが、では今後ガソリン車は消滅するのでしょうか?
今最も可能性が高いと言われているのは、すぐには無くならないが着実にEVまたはFCVに置き換わっていくという未来です。
現に日産リーフ(100%EV車)や、トヨタのプリウス(EVとガソリンのハイブリッド車)など、エコカーは広まりつつあり、ガソリン使用量も間違いなく減少しています。
エコカーは燃費も良いし環境にも良いので、早く広まって欲しいと思う人もいるかもしれませんが、まだまだ技術的課題やインフラ整備の問題があり、普及には時間(10年以上)が掛かると見られています。

・ガソリン車は最低10年間は主流であり続ける。

エコカーの今後

現実点では、電気自動車(EV)及び燃料電池車(FCV)ともに課題があるため、すぐにガソリン車を駆逐するということはないと予想されます。
少なくとも2030年頃までは主流はガソリン車であると考えられています。
しかし、トヨタをはじめ、EV・FCVともに大規模な投資を含む積極的な開発が行われており、ハイブリッド車の普及も進むことを踏まえて今後ガソリン車のシェアは低下するのは間違いありません。
エコカーの普及が進むと、これまでガソリンの供給で富を得てきたENEOSなどの石油元売り業者がどのようにビジネスモデルを確立するのか注目されます。

エコカーの今後

・EV、FCVともに技術的課題やインフラ整備に問題の課題がある。
・EVの普及には全固体電池が鍵を握っている。
・燃料電池車はEVとの競争に加え、水素関連の課題も多い。
・すぐにではないが、ガソリン車からシェアを奪うのは確実。

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