ChemSketch(ケムスケッチ)は無料で化学構造が描けて便利なツールです。
ケムスケッチを使うとLewis構造式が描けたり非共有電子対をつけれたりします。
この記事では意外と知らないケムスケッチで出来る使える技を5つ紹介します。
Contents
①非共有電子対(孤立電子対)の描き方
ブレンステッドの塩基やルイス塩基の反応などで非共有電子対(孤立電子対またはローンペアー)を描きたいことがあると思います。
アンモニアを使って説明します。
①アンモニア(NH3)を描く
左のタブから『N』を選んで、描画エリアでクリックし、NH3を表示させます。
次に、NH3分子を選択しつつ、上の『Toolsタブ』から『Add Explicit Hydrogens』を選びます。
すると、N-H結合が表示されたアンモニア分子が描けます。
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②N-H結合をドラッグして変える
アンモニアのN-H結合の向きを手動で変えます。
Hの上でクリックして、任意の位置に移動させてください。
この例では上にローンペアーをつけるつもりです。
(非共有電子対は電子反発が大きいので結合角は広めです。笑)
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③テンプレートから『ローンペアー』を選ぶ
上段のタブから『Templates』→『Template Window』を選びます。
そして左上のプルダウンメニューから『Lewis Structures』を選びます。
すると右上の表に色々な種類の『電子』があるのでローンペアーを選びます!
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④ローンペアーをアンモニアにつける
上の表でローンペアーを選択すると画面が切り替わるので、アンモニア分子に手動で描きいれてください。
以上です。
②結合の奥行きを表現する方法
結合を立体的に表現したい時の方法です。
①『Structureモード』の上の方にあるタブから結合アイコンを選ぶ
太線の結合や点線の結合があるので、目的に応じて選びクリック。
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②目的の結合の上でクリック
この例ではアンモニアのN-H結合の上でクリックする。
すると立体的に結合が表現できる。
方向が逆のときは、もう一度N-H結合の上でクリックすると上下反転してくれる。
以上です。
③Lewis構造式の描き方(テンプレート)
まずはルイス構造式の描き方を紹介します。
ルイス構造はテンプレートがあるのでそれを利用するのが簡単です。
①テンプレートから目的のLewis構造を選ぶ
上段のタブから『Templates』→『Template Window』を選びます。
そして左上のプルダウンメニューから『Lewis Structures』を選びます。
アンモニウムイオンやメタン、酢酸などのルイス構造が既に用意されています。
④Lewis構造式の描き方(任意)
今度はテンプレートにない、任意のルイス構造式の描き方を紹介します。
例えば、『H<sub>2</sub>O』のルイス構造式はどう描くか紹介します。
①左のタブから『O』を選ぶ
左のタブからOを選んで描画エリアに描きいれると、勝手にH<sub>2</sub>Oにまずはなります。
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②結合を表示する
H<sub>2</sub>O分子を選択し、『Tools』タブから『Add Explicit Hydrogens』を選んでクリック。
するとO-H結合が表示される。
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③結合の色を白色にする
次に、結合の黒色を消します。
分子全体選択→『Tools』→『Structure Properties』→『Common』→『Bond Style』→色の選択部分に行き『白色』をクリック。→『Apply』→閉じる
するとO-H結合の結合線が消える。
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④消えた結合部分にローンペアーを描き入れる
上段のタブから『Templates』→『Template Window』を選びます。
そして左上のプルダウンメニューから『Lewis Structures』を選びます。
表に色々な電子の中からローンペアーを選ぶ。
目的の向きのローンペアーを先ほどの表から選択し、任意の場所に描き入れる。
以上です。
⑤構造式から化合物名を表示させる方法
ケムスケッチは色々な付録機能があり、なんと構造式から化合物名を表示することまで可能です。
(ただし英語表記です。)
そのため、わざわざ自分で化合物名を書いたり調べる手間が省けるかもしれません。
例えばここでは安息香酸(benzoic acid)を参考にして紹介します。
①安息香酸を描く
右のタブからベンゼンを選んで記入し、次にカルボキシ基を選んでベンゼンの上でクリックすれば完成。
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②Name for Structureを選択
分子全体を選択して、『Tools』→『Generate』→ 『Name for Structure』を選択。
すると構造式の下に『benzoic acid』と名前が出てきます。
分子量
ちなみに分子量を自動計算させたいときは、
分子全体を選択して、『Tools』→『Generate』→ 『Formula Weight』で出力されます。
以上です。
結構便利な機能ですね。