今回は印刷業界における2強の一角、凸版印刷の学歴重要度を見ていきます。読み方は”とっぱんいんさつ”です。
凸版印刷は大日本印刷とともに印刷業界において双璧をなし、両社とも売上高1兆円を超えています。(若干ながら凸版印刷の方が売り上げ規模で上回ります。)
今回はそんな凸版印刷に採用されやすい大学について考察します。
会社の概要
まず凸版印刷がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 情報コミュニケーション(59%)、生活・産業(28%)、エレクトロニクス(13%) |
主な商品 |
書籍や雑誌などの出版印刷、チラシなどの商業印刷 ICカード スマホ用フィルム 半導体 電子コンテンツ、デジタル印刷、IoT、VR(仮想現実)など (大日本印刷とかなり類似) |
売上 | 1兆5,200億円 (営業利益:570億円) |
平均年収 | 664万円 (42.3歳) |
特徴 | ・従来型の印刷事業からIT分野などにシフト ・大日本印刷と2強でなおかつ事業内容が類似している ・IT(デジタル印刷, IoT, VRなど)を強化 ・「攻めのIT経営銘柄2019」にも選ばれた(経産省と東証が実施) ・ICカードなど紙以外への印刷やデジタル印刷を手掛ける ・フィルム、半導体、液晶などへも参入 ・3年後離職率は約10%。 ・海外売上比率18%で海外市場も開拓 |
凸版印刷も競合の大日本印刷と同様に、従来型の印刷事業から事業転換を行っています。
具体的には、デジタル印刷やIoT、VRなどのIT事業や、液晶や半導体と言ったエレクトロニクス事業、他にはスマホ用フィルターやICタグ製造など、異種事業への参入を活発化させています。
従来型の印刷事業は、紙媒体の需要減少でかなり事業縮小を余儀なくされています。
印刷会社のイメージからは、想像できないような事業内容を展開しています。
凸版印刷が求める人材は、『主体性を持ち、成果にこだわり、挑戦できる人』です。
大学群採用実績の比較
では凸版印刷の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における凸版印刷の採用実績の”偏り”を分析します。
凸版印刷の採用傾向は早慶とMARCHが圧倒的に多いですが、全体的な採用傾向としては中堅~高学歴を満遍なくバランス採用しています。
旧帝大や難関国公立からもたくさん採用されていますし、関関同立や日東駒専からも旧帝大に引けをとらないほど採用されています。
競合の大日本印刷とは奇妙なほど採用傾向が似ています。
また後述しますが、日本大学からの採用が異常に多い点も同じです。
謎。。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 早稲田 | 548 |
2 | 明治 | 366 |
3 | 慶應 | 356 |
4 | 日本大 | 300 |
5 | 中央 | 224 |
6 | 東京理科大 | 214 |
7 | 同志社大 | 207 |
8 |
立命館大 | 194 |
9 | 法政 | 190 |
10 | 東工大 | 187 |
凸版印刷はやはり早慶及びMARCHが多数ランクインしています。
全体的に私立大学出身者が多めです。
関西からは同志社と立命が頑張っています。
国公立では東工大のみ10位に入っています。
ただ東大も11位に位置しており、それなりの人数の理系学力上位層が入社していると考えられます。
(恐らく東大文系は凸版印刷へはあまり入社しない)
全体を見ると、旧帝大、早慶、MARCH、関関同立などからバランスよく採用されていると思われます。
一点、大日本印刷の時もそうでしたが日本大学からの採用が異常に多い。
また、東京電機大、芝浦工業大などからも多数採用されており、これらの採用はIT系が多いかもしれません。
他には、東京都市大、成蹊大、東海大などの中堅下位層からの採用も多いです。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
学歴重要度
学歴重要度:(普通)
私が判断した凸版印刷における就職での学歴重要度は、2.5です。
- 早慶とMARCHを筆頭に旧帝大、難関国公立、関関同立からと、幅広く採用
- 成蹊大や東京都市大、東海大などの中堅下位クラスからも多数採用されている
- 東大出身者も多いなど採用の幅が広い
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
まとめ
凸版印刷は印刷業界の最大手企業で、大日本印刷とともに2強をなしています。
事業方針としては、従来型の印刷事業からIT分野などへの進出を活発化させています。
採用傾向はバランス型で、特定の大学レベルに依存せず、知名度などにも関わらず幅広く採用している印象です。
採用されやすい大学としては早慶とMARCHが多いですが、一方で芝浦工業大学や東京電機大学も規模の割に人数としてはかなり採用されているのが注目です。
(それぞれ116名、93名)