今回は金融分野になりますが、政府系金融機関である、日本政策金融公庫(JFC)の学歴重要度を見ていきます。略称は『政策公庫』『日本公庫』『JFC』または単に『公庫』などと呼ばれたりします。
政府系金融機関は2020年4月時点で日本には主に5機関ありますが、日本政策金融公庫はそのうちの1つとなります。
今回はそんな日本政策金融公庫に採用されやすい大学について考察します。
組織の概要
まず日本政策金融公庫がどのような組織か簡単に見ていきます。
事業内容 | 融資業務 (国民一般、農林水産業、中小企業の3つがメイン) |
主な商品 |
一般貸付、セーフティーネット貸付、新企業育成貸付など |
経常収益 | 4,915億円 |
平均年収 | 約800万円 |
特徴 | ・政府系金融機関 ・貸付業務がメインであり、その点は民間銀行と同じ ・政府の政策と密接に連携する ・具体的な貸付内容はコチラ ・東日本大震災や新型コロナなどの災害における融資にも力を発揮 ・融資先は主に3つ”一般国民”, “農林水産業者”, “中小企業” ・他に、『信用保険等業務』『危機対応円滑化業務』『特定事業等促進円滑化業務』がある。 |
政府系の金融機関
日本政策金融公庫は政府系の金融機関です。
100%政府系なので、株主は財務大臣や経済産業大臣などで占められます。
つまり、政府の政策に合致した融資を行うことを目的としています。
具体的には、災害などで民間銀行が融資を渋るような相手への融資が行われたりします。
つまり「公益性」を重視した融資が行われる傾向にあります。
(例えば、女性、若者/シニア起業家支援資金、働き方改革推進支援資金、東日本大震災復興特別貸付、新型コロナウイルス感染症特別貸付など。)
大学群採用実績の比較
では日本政策金融公庫の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における日本政策金融公庫の採用実績の”偏り”を分析します。
日本政策金融公庫の採用傾向は早慶が一番多いですが、意外と色々な大学から採用されており、2番目は旧帝大ではなく関関同立、次に旧帝大でその次にMARCHという順位になっています。
全体的な採用傾向としては中堅~高学歴をバランスよく採用しています。
ただ、日東駒専、産近甲龍クラスになると途端に厳しくなるようです。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 早稲田 | 336 |
2 | 慶應 | 304 |
3 | 明治 | 237 |
4 | 立命館大 | 163 |
5 | 同志社大 | 159 |
6 | 関西学院大 | 141 |
7 | 法政 | 125 |
8 |
中央 | 121 |
9 | 関西大 | 120 |
10 | 九大 | 88 |
日本政策金融公庫の採用大学ですが、見て貰ったら分かる通り、上位はほとんど私大となっています。
早慶を筆頭に、関関同立とMARCHが圧倒的多数を占めており、国立では九大が10位にランクインした程度です。
ちなみに九大以外の旧帝大はと言うと、12位に東北大(74人)、14位に東大(64人)、20位に北大(46人)などとなっています。京大、阪大、名大も21~23位にいます。
学習院が11位、西南学院大が17位となっており、”超高学歴でないと入れない”という訳ではないと思われます。
『難関国公立』の括りでは、一橋大(74人)、神戸大(59人)が多い部類です。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
学歴重要度
学歴重要度:
私が判断した日本政策金融公庫における就職での学歴重要度は、3.0です。
- 早慶が筆頭だが、関関同立やMARCHもボリュームゾーンとして多い
- 旧帝大も少なくはないが、多くもない
- 学習院や西南学院など、中堅どころも多数
- とは言え、産近甲龍や日東駒専クラスになると採用が極端に少ない
これらの理由から、学歴重要度は3.0としました。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
まとめ
日本政策金融公庫は日本に5つほどある政府系金融機関で、日本の政策を実施する上で欠かせない重要な機関です。
その日本政策金融公庫への大学別採用実績を見ていきました。
その結果、1位と2位は早慶でしたが、関関同立やMARCHも思いのほか多く、東大を含む旧帝大は「多くも少なくもない」という状況でした。
学習院や西南学院からの採用も多く、学歴はそれほど重視していない印象ですが、一方で産近甲龍や日東駒専からの採用は極端に少なく、あまり相性が良くない大学も多いです。