今回も運輸業界から、旅客鉄道で国内売上No.2を誇る東海旅客鉄道(JR東海)の学歴重要度を見ていきます。
JR東海は、主に東海道新幹線を事業柱とする社会インフラ企業です。
就活で利用する人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなJR東海に採用されやすい大学について考察します。
会社の概要
まずJR東海がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 旅客、流通、不動産、ホテルなど |
主な商品 |
在来線、東海道新幹線、駅、ホテル、不動産など |
売上 | 1兆8,447億円 (経常利益:5,743億円) |
平均年収 | 735万円 (2018年度) |
特徴 | ・旅客業をメインとする社会的インフラ企業 ・鉄道事業と非鉄道事業を展開 ・東海道新幹線からの収益が、全体の約7割(ドル箱) ・他のJR各社同様、経営の多角化は行っているが、新幹線への依存度はどこよりも高い ・2027年のリニア開業という一大プロジェクトを自社開発で手掛ける ・営業利益が毎年35%を超える ・経常収益も毎年30%を超える ・グループ会社が流通、不動産、ホテル、商業施設など多様な事業を展開し多角化 ・3年後離職率4.5% |
東海道新幹線を擁する高収益企業
東海旅客鉄道、すなわちJR東海は、鉄道事業をメインとする社会インフラ企業です。
特に大阪-京都-名古屋-東京を結ぶ東海道新幹線は”ドル箱”として知られ、収益の約7割をここから得ています。
東海道新幹線のおかげで、経常利益率が毎年30%を超える超高収益企業となっており、その資金を活用してリニア中央新幹線の開発を行っています。
2027年開業予定です。(しかし、実際どうなるかは未定)
同業他社としては、西日本旅客鉄道(JR西日本)、東日本旅客鉄道(JR東日本)がよく比較されます。他のJR各社と同様に、流通や不動産、ホテルなど、鉄道事業以外にも多様な事業を展開しています。
運輸業への依存度は、大手3社の中で最も高くなっています。
ただ、今回の新型コロナの影響で、先行きに不透明感が生じています。
大学群採用実績の比較
ではJR東海の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年におけるJR東海への採用実績の”偏り”を分析します。
旧帝大と早慶が多いがバランス型
JR東海の採用大学群をみると、第一に旧帝大が多いことがわかります。
2位の早慶の2倍近い実績があり、圧倒的です。
しかし、MARCHや関関同立、日東駒専などからもかなり採用されており、全体を見るとバランス型採用であることが分かります。
産近甲龍からの採用は、やや少な目となっています。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 東大 | 396 |
2 | 早稲田 | 353 |
3 | 慶應 | 289 |
4 | 京大 | 285 |
5 | 名古屋大 | 207 |
6 | 日本大 | 199 |
7 | 立命館大 | 162 |
8 |
芝浦工業大 | 151 |
9 | 東工大 | 137 |
10 | 法政 | 133 |
やはりJR”東海”だけあって、同じ東海地方の名古屋大からの採用が多いです。
ランク外ではありますが、東海地方の有名私大である南山大学も13位で、東海大も17位に位置しています。
ただし、採用実績トップは東大です。
その他、京大や東工大もトップ10に入るなど、高学歴な大学からの採用も多いです。
阪大も12位に位置しています。
他には芝浦工業大学の採用が多いのが目を引きます。
この規模の大企業で、芝浦工業大学がトップ10入りするのは、あまり見たことがありません。
ランク外ですが、東京理科大、東京電機大、東京都市大、金沢工業大学などからの採用も多いです。
(北大や九大より多い)
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
学歴重要度
学歴重要度:
私が判断したJR東海における就職での学歴重要度は、3.5です。
以下に理由を示します。
- 実績トップは東大
- 京大や東工大、名古屋大など学力トップ層からの採用が多い
- 早慶も多い
- ただし、MARCHや日東駒専などの中堅クラスからの採用も十分多い
- 芝浦工業大や東京電機大などからも多数採用
- 関関同立も実績多数
- 東海地方の中堅大学からも多数採用
これらの理由から、学歴重要度は3.5としました。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)
まとめ
今回は日本を代表するインフラ企業である、東海旅客鉄道(JR東海)の採用傾向について見ていきました。
その結果、東大や京大、東工大など、理系トップクラスの大学からの採用が多いことが分かりました。
また、東海地方の地元有力大学である名古屋大や南山大、東海大からの採用も多く、他のJR各社と同様、採用実績に地域性があることが分かりました。
また、芝浦工業大学や東京電機大などの理系単科校からの採用も多く、技術志向であることが窺い知れます。
東大や京大などの上位校出身者が多いですが、中堅クラスからの採用も多く、バランス型と言えます。