業界研究/企業分析

(2021年)冬の時代を脱した日本製鉄。おめでとう。

ここにきて日本製鉄の業績が大幅に回復してきています。
日本製鉄は昨年2019年度に4,060億円の巨額赤字を出し今後の事業継続すら危ぶまれたほどでしたが、今年は見事110億円の黒字に回復、また来期は2,400億円の黒字を見込むなど、事業環境が大幅に改善しています。
JFEも同様に回復傾向にあり、鉄鋼各社V字回復を見せています。おめでとうございます。

V字回復理由

日本製鉄によると、以下の取り組みによって黒字化が達成されたと言っています。

  1. 損益分岐点の抜本的改善
  2. 急激な減産へのスピーディな対応等の⾃助努⼒

コスト削減値上げによって黒字になったということです。
“損益分岐点”、つまり黒字化達成に必要な粗鋼生産量が少なくて済むようになったために、生産量が前年比減にも関わらず、営業利益の大幅アップを達成できました。

単独粗鋼 4,185万t/年 (2019年度)
単独粗鋼 4,185万t/年 (2020年度)

参考:
日本製鉄2021年3月期決算資料

グラフ

日本製鉄の2019年度と2020年度の売上高&利益の比較
日本製鉄2019-2020年度売上・営業利益_1

売上高が前年より下回っているにもかかわらず、この改善ですから凄いことですよね。

今後も高止まり継続

鉄鋼価格は今後も堅調に推移していくと予想されています。

というのも、中国では相変わらず高い鉄鋼需要があるにも関わらず、中国政府はカーボンニュートラルへ政策転換を行うという観測があるためです。

鉄鋼業は非常に環境負荷の高い業種なので・・

それらを反映して、株価も大幅に上昇しています。

日本製鉄株価2021.05.09

しかし・・

ツイッターにはこんな声もあります。


つまり、今期の黒字化は社員の給料を削ったからこそ達成できたのだろう!というツイートです。145いいね!がついていますので、結構注目度の高いツイートとなっています。

鉄鋼メーカーは高級取りで知られていますが、その理由は残業時間が多いことも一因としてあります。

今回、1人あたり年収ベースで実際に150万円も減らされたかどうかはともかく、やはり今後もなんだかんだ中韓やアジア諸国との競争は続いていくものと思われるため、油断は禁物な業界だと思いますね!

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