業界研究/企業分析

(株)カカクコムの事業は「価格.com」だけじゃない、そして意外にアフコロ企業

価格.comで皆さんおなじみの会社であるカカクコム。私も100株保有しています。
投資家や就職希望者の中には、カカクコムは価格.comしかやっていない会社と思われている方もいると思いますが、カカクコムは意外に多角的に事業を展開しています。
そして、カカクコムはコロナの影響で2021年度決算(2020年4月~2021年3月)は、売上が510億円と前年に比べ16.2%減収しました。
このように、カカクコムは任天堂のようなコロナ銘柄ではなく、意外にアフターコロナ銘柄なのです。

コロナ銘柄:コロナが逆に追い風となり増収増益が達成された企業
アフターコロナ銘柄:コロナが収束が収益回復のカギとなる企業

たとえば「食べログ」

今はコロナで利用する人も減っていますが、食べログはカカクコムの主要事業です。
カカクコムは20以上のサービスを展開していますが、食べログはその中でも主力サービスです。
ただ、このコロナの影響で売上が130億円と、前年に比べ39.2%減収しました

事業内容

価格.comを筆頭に様々な事業を展開しています。
①価格.com、それから②⾷べログ③新興メディア・ソリューション/ファイナンスの3つが柱です。

2020年度)売上構成

2020年度_カカクコム売上
意外に「食べログ」やその他「新興メディア・ソリューション/ファイナンス」の比率が高いことがわかると思います。

価格.comだけの会社じゃないんだ!

新興メディア・ソリューション/ファイナンス」に分類されている「求人ボックス」「スマイティ」「映画.com」なども、名前も良く知っているのではないでしょうか。
これらはすべてカカクコムの事業ポートフォリオです。

意外に「価格.com」はコロナで減収した

日本におけるオンライン店舗の代表格である「価格.com」はコロナで増収したのでは?と思われるかもしれませんが、なんと減収でした。

普通、コロナってオンライン系企業にとっては追い風ですよね。

確かにコロナによる在宅勤務や巣ごもり需要の影響で、価格.comにおける『ショッピング事業』自体は8.3%増収して、それは普通のオンライン系企業通りの結果だったのですが、それ以外が問題でした。

最も伸びたのは冷蔵庫/冷凍庫で+20.4%、次にノートパソコン+16.8%、テーブル+8.1%と続きます。

というのも実は、価格.comは『サービス事業』というのも展開していまして、これが前年比9.8%の減収でした。Wi-Fiレンタルなどを行っています。

価格.comの「サービス事業」とは?カカクコムが展開している事業の1つに有名な価格.comがありますが、この事業の中にはさらに2つの「ショッピング事業」と「サービス事業」が...

結局これが足を引っ張って、価格.com全体としてみれば、意外にも前年比1.9%減収という結果になりました。

コロナ禍で増収した事業

  • 求人情報の一括検索サイト「求人ボックス」
  • 「価格.com保険」
  • 不動産住宅情報サイト「スマイティ」

この辺りはオンラインの強みが活きたサービスになりますね。

不動産や保険など、対面でのサービスを控えた結果、オンラインの需要が増加したのですね。

今後の成長方針

まずは外部環境の改善が重要です。
具体的には、ワクチン接種などでコロナ感染状況の収束、それに伴う景気回復が今後の回復、これらがカカクコムの業績回復のカギを握ります。

カカクコムは任天堂などと違い、コロナが逆風の企業です。

カカクコム自身が重点課題として挙げている①「新興メディア・ソリューション」「ファイナンス事業」の売上構成比を20%まで引き上げること、②既存のサービスの利便性をさらに向上させることなども重要ですね。

「新興メディア・ソリューション」とは

「求人ボックス」「スマイティ」「映画.com」「キナリノ」「アニメハック」などのこと。まだまだある。非常に多くのサービスを展開している。
旅行・移動や趣味・娯楽など、景気敏感系の事業を結構展開している。なので当然これらはアフターコロナ系。

「ファイナンス事業」とは

「価格.comインシュランス」のこと。価格.com保険を展開。
生命保険、医療保険、がん保険、学資保険、個人年金、火災保険、海外旅行保険、地震保険、ペット保険など。

まとめ

カカクコムについてみていきました。

食べログなどで分かる通り「価格.comだけの会社ではない」ということ、そして前年比で16.2%減収(32.8%減益)からもわかる通り、意外にも「コロナが逆風」の会社であるということを示しました。

コロナ感染が拡大する中で、同時にワクチン接種も進む日本。
さて、カカクコムの先行きはどうなることでしょう?

私はワクチン接種による感染収束、それに伴う旅行や飲食の需要回復、結果として起こる景気回復により、カカクコムの収益は改善すると予想しています。
価格.com」の知名度を強みとして活かして、「価格.com保険」などを拡大させていって欲しい!

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