銅はEVや風力、太陽光発電など、今後需要が見込まれる資源です。
このブログでも何度か取り上げていますが、銅はとりわけ重要な資源です。
住友商事も銅権益についてはしっかり保有していますが、今年になってチリの銅鉱山を売却するなど、住商はキチンと銅の重要性を把握しているのかが気になっていました。
今回の2Q決算の質疑応答で、この点に関する会社側の説明がありましたので掲載します。
(住友商事2021年度2Q決算Q&Aより)
住友商事による「銅事業」の戦略についての回答
銅事業に関しては、Sierra Gorda は撤退予定ですが、Quebrada Blanca という案件では⼀昨年より、新規投資を積み上げて、現在、操業開始に向けて取り組んでいます。
銅は、戦略的に⾮常に重要な⾮鉄資源と考えています。良い資産に⼊れ替えていくことを⽅針として、今後もいい機会があれば、更に積み増していきたいと考えている⾮鉄資源の⼀つです。
(2021年2Q決算Q&A 代表取締役 社⻑執⾏役員 CEO 兵頭 誠之氏の回答)
確認できたこと
住友商事社長の兵頭さんの口から、住友商事が銅がEVや再エネ等に必要な重要な資源であるとしっかり認識していることを、確認できました。
なぜSierra Gorda銅鉱山を売却したのか理由はわかりませんが、何かビジネス上やりにくいところがあったのでしょう。
とりあえず投資済みの案件は稼働するようですし、さらに新規の銅鉱山の開発も検討しているようです。なので今後の銅事業に関してはそれほど心配要らなさそうです。
その他の非鉄金属
その他、非鉄金属として銅と同じくらい重要なニッケルについても言及がありました。
その他、マダガスカルニッケル事業は苦労しましたが、操業を再開し、安定稼働させることで収益源にしていきます。
将来的にも EV 化の進展により、今後電池の技術開発は進んでいきますが、電極の材料としてニッケルは⾮常に重要で、需要が⾒込まれる資源です。
特に Class1ニッケルという⾼品質なニッケルを⽣産する市場価値の⾼い鉱⼭の⼀つですので、しっかりと事業に取り組んでいきたいと考えています。
(2021年2Q決算Q&Aより 代表取締役 社⻑執⾏役員 CEO 兵頭 誠之氏の回答)
ニッケルは銅とともに今後の重要な非鉄金属資源ですが、住商側もしっかり重要な資源として認識しているようで、安心しました。
今後は銅やニッケルは、電気自動車(EV)や再エネの普及にともなって、需要は間違いなく増加するので、ここの権益はしっかり押さえておいてもらいたいです。
まとめ
決算資料より、住商の銅事業に対する認識、考え方を確認しました。
チリの銅権益を売却してしまったことから、銅の重要性を認識していないのではないか?と懸念していましたが、そうではなく、会社側も今後の重要な資源としてしっかり認識していました。
また銅と同じく重要なニッケルについても必要性を認識していて安心しました。
他の総合商社と比較し、資源権益が少ない住商ですので、銅・ニッケルなどの非鉄金属については、成長事業と捉えて大切に育てていって欲しいと思います。