タイヤメーカーは海外売上高比率が異常に高いです。
これは他分野のメーカーと比較してみると明らかに違います。
この記事ではブリヂストンや横浜ゴムなど、ゴム・タイヤ業界の大手企業について、海外売上高比率を見ていく事にしました。
大手タイヤメーカー海外売上高比率ランキング
順位 | 企業名 | 海外売上高比率(%) |
1 | ブリヂストン | 81 |
2 | 東洋タイヤ | 72 |
3 | 住友ゴム工業 | 63 |
4 | 住友理工 | 61 |
5 | 横浜ゴム | 58 |
ブリヂストンの海外売上高比率8割越えは全業界でもトップクラスに高いです。
現地法人を立ち上げたり、輸出を増やすことによって海外売上高比率を増加させています。
横浜ゴムはサッカー好きの人ならよくご存じの方も多いですが、イングランドプレミアリーグの人気チームである『チェルシー』のスポンサーになっており、海外への進出戦略を明確に打ち出しています。
例えば日産は海外比率が84%、トヨタも76%です。
なぜ海外売上高比率が高いのか?
一般的に海外売上高比率が高いと言うことは、①輸出が多い、あるいは②現地法人による生産が多い、③海外企業のM&Aなどによる売上が多いということが考えられます。
なぜ海外売上高比率を増やそうとするのかというと、1つには国内の少子高齢化などによる『内需減少』を見越してのことであると推定されます。
例えば、国内の自動車販売台数は1990年頃をピークにかなり減少しており、劇的な向上はなかなか期待できそうにありません。
国内での売上増加が見込めないのであれば、必然的に海外に目を向けざるを得ません。
加えて、内需の冷え込みによる国力の低下から、『円の価値低下』を引き起こすと可能性も想定されています。
円の価値が低下、すなわち円安に陥ると、輸入に頼る内需型企業は厳しいです。
反面、トヨタやブリヂストンなどを代表とする輸出型企業は強いです。
求められる人材
輸出や現地法人の運営には、海外とのやり取りが多くなるため、英語力などの語学力に秀でて、コミュニケーション力のある人材は必要とされます。
例えば、技術系であっても、技術指導員として工場稼働で現場スタッへの技術指導を求められることはよくあります。
加えて現場の製造員も海外の工場に派遣される可能性は十分あります。
まとめ
タイヤ大手は内需減少を見越して、海外売上高比率の向上にシフトしています。
今後もこの傾向が続くでしょうし、さらには他の業界もこれに続くでしょう。
原因として、少子高齢化が一因としてあり、政府が少子高齢化に対する抜本的な改革を行わない限り、将来的に内需型の企業は痛い目をみます。
自動車メーカーと並び、ゴム・タイヤメーカーは海外売上が多くを占めるので、内需減少およびそれに起因する円安が起こっても大丈夫です。