業界研究/企業分析

【企業研究】住友商事は非資源ビジネス中心で興味深い事業ポートフォリオ

住友商事は五大商社の中で、資源ビジネスの割合が小さい特徴的な企業です。
先ほども記事にしましたが、住友商事が新コロの影響で1,530億円の巨額赤字を出してしまいました。
しかし、この”非資源ビジネス“を主力とした事業ポートフォリオというのは、他の総合商社にはない特徴であり、実は今後の成長を考えるうえで実は興味深い、投資妙味のある企業かもしれないと思いました。

住友商事の非資源ビジネス

住友商事は”非資源ビジネス“が事業ポートフォリオの大部分を占めます。
他の五大総合商社が資源ビジネスで稼いでいる中、住商は非資源が収益の大半となっています。
とくにメディア・デジタルの分野は強く、他の商社にはない住商独自の強みとなっています。

“非資源”とは?具体的に

では具体的に”非資源”とはどのような事業のことなのでしょうか?
住友商事における5つの”非資源”領域についてみていきます。

表.住友商事の非資源事業
内容 2020年度業績
(一過性を除く)
主な事業内容
金属 110 億円 自動車用の鋼材などに加工する事業など。
(※ ニッケル事業はこれは「資源・化学品」のカテゴリーなので違います。)
輸送機・建機 260 億円 グローバルでの自動車製造・流通、航空機リースなど。
インフラ 390 億円 風力発電など。
メディア・デジタル 440 億円 ケーブルテレビ、5G、DXなど。
生活・不動産 370 億円 スーパー、オフィスビル、物流施設、住居など。J-REITのスポンサー事業も展開。

航空機リースや発電、不動産など、他の総合商社も行っている事業が多く見受けられます。

ただ前述のとおり、住商はメディア・デジタルが強く、独自の特徴となっています。
この事業分野における稼ぎ頭がケーブルテレビの通販番組の「ジュピター・ショップチャンネル」です。住商本体とは異なりますが、住友商事が45%の株を所有していて筆頭株主となっています。

住商の事業投資

非資源ビジネスとは製造業だったり農林水産業だったり、不動産メディアエンターテイメントフード化学など非常に多岐に渡りますが、石油や石炭などの”資源”ビジネスとの対義語になります。

金属を非資源ビジネスに入れている点が気になりますが、基本的には自動車素材など金属を加工するビジネスのことを指していると思います。
(金属採掘ビジネスは「資源・化学品」のカテゴリーに入ると思います。)

資源ビジネスというのは事業環境などが上手くいけば爆益を得ることのできる事業なのですが、非資源はどちらかというと生活密着型で堅実というイメージになります。三菱商事や三井物産は資源ビジネスが得意で、毎年巨額の利益を上げています。

三菱商事三井物産なども同じ総合商社の中まで非常に優良な企業ですが(住商よりむしと格上ですが)、事業ポートフォリオはエネルギー資源に関連するものが多く、超長期的にみたら少しリスキーな部分もあると思います。
例えば、脱炭素社会SDGsなどの盛り上がりによってエネルギー消費が激減し、原油価格や天然ガス価格が低下する懸念があるということです。

三菱商事と三井物産は資源割合が5割程度にも上り、非常に依存度が高いです。伊藤忠と丸紅は、その次で、住商が最も割合が小さいです。

アフターコロナの盛り上がり

私は今後、新コロからの景気回復はほぼ既定路線と考えています。
その恩恵を最大限受けられる企業、いわゆる”景気敏感株“といった企業銘柄にあたるわけですが、それが住商にも当てはまるのではないかと思います。

景気が良くなるとエネルギー需要も高まるため、三井物産などの総合商社への投資で確かに全然良いのですが、前述のとおり、私はこれらの企業にすでに投資しているため、リスク分散のためできれば資源以外の領域でも収益を上げる企業についても投資したいと思っています。

まあ商事も物産もなんだかんだ社会情勢を読んで、適切な事業展開をするとは思いますが。だからバフェットも投資しているわけで。

住友商事の事業

ではここで住商の事業ポートフォリオの詳細を見ていきたいと思います。

前述のとおり、住友商事は5大商社の中では比較的資源割合の小さい会社です。
例えば2020年の業績ですが、以下のように非資源からの収益が非常に大きくなっています。

住商_資源非資源2020

新コロの影響が小さかった2019年度においても非資源が圧倒的であり、基本的には住商は非資源をメインとする総合商社で間違いありません。

コロナの影響のない2019年度の実績
住商_資源非資源2019
資源ビジネスは一般的にリスクが大きい投資先だと言われています。その分、リターンも莫大ですが。

中期経営計画と投資先

今後はどのような事業ポートフォリオを構築しようとしているのでしょうか?
中期経営計画についてみていきたいと思います。
そこでも、やはり非資源ビジネスが今後の業績回復の主役を担うと記載されています。

2021年度から2022年度にかけても、300億円の増益としています。
資源ビジネスは2021年度に⽐べ、資源価格の前提を引き下げていることなどから減益となる⾒込みですが、⾮資源ビジネスは、スライドに記載の事業を中⼼とした、
当社が強みを持つ主⼒事業に経営資源を集中していくことで、着実に収益を拡⼤していきます。
また、2022年度から2023年度にかけては400億円以上の増益としています。
スライドには記載ありませんが、資源価格は全体として2022年度並みが継続する前提のもと、資源ビジネスでは⼤きな増益は⾒ておりません。
つまり、増益の太宗は、⾮資源ビジネスとなりますが、引き続き、主⼒事業が利益成⻑を牽引していきます。 (2021年3月期決算資料より)

非資源ビジネスにプライドがあるようです!

実際に、企業としての投資額も非資源領域が大きくなっています。

2021年3月期決算資料より
投資額も非資源が大きくなっています。

今後の投資銘柄の候補

住商は非資源割合の高い総合商社であることを見てきました。

配当利回りも4.5%程度あり、結構投資妙味あると思います。
恐らく、悪い決算を出したことで一時的に株価は下がるでしょうが、これは原因が新コロによる操業停止と仕方がない部分があります。
当然のことながらグローバルに事業展開しており分散も効いています。

気になる点

慎重な企業文化とたまに言われている住商ですが、懸念は前記事のとおり。。
加えて気になる投稿も↓

「住商は持株会も入らず退職後も他商社しか買ってませんが」の部分・・

まとめ

住商は総合商社の中でも非資源ビジネスの割合が大きいという点に着目してみていきました。

五大商社の中で最も資源割合が小さく、他で稼いでいるという点は興味深いと思います。
(慎重な企業文化と言われているそうですが、その企業姿勢を表しているかのようです。)

また、メディア・デジタル領域で強みがあるという点は商社の中では独特です。

アフターコロナでは一般消費者の消費増が期待されるので、恩恵を被ることを予想し買い検討したいと思います。

就活的な観点で見ると、「石油とか石炭とか地味なことはやりたくない」「メディアなど人々の生活に密着した事業に携わりたい」という人には向いているかもしれません。

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