ENEOSと言えば石油元売りで業界No.1でありがガソリンスタンドのイメージが強いので、てっきり石油精製だけで稼いでいる会社なのかな?と思っていましたが、そうではありませんでした。
2020年度の営業利益内訳
ENEOSがどの事業でのくらい稼いだか、早速2020年度の実績で見てみましょう。
御覧の通り、意外に石油精製等の「エネルギー事業」は利益額として50%を切っていて、全体の47.6%しか稼いでいません。
エネルギー事業のうち、純粋に石油精製で稼いだ分だけで正確に計算すると、48.3%です。(在庫評価益387億円は除いて計算)
去年はさらに少なく、在庫評価除いた額としては、石油精製に占める営業利益の割合は7.65%しかありませんでした。(営業利益967億円に対し、石油精製が74億円。)
石油精製以外に強い事業は
ENEOSが石油精製以外で強い事業というのは、『金属事業』です。
銅鉱山の開発や、5Gなどの金属材料開発、金属材料のリサイクルによる再利用などでもかなり稼いでいます。
ENEOSと言えば石油や天然ガスの開発も有名ですが、それはあまり営業利益に貢献できていないようです。
今年度はわずか28億円の黒字で、昨年は388億円の赤字だったぐらいです。
今後のENEOSは?
ENEOSは今後は石油精製や金属などの既存事業の活用と、成長戦略として再エネに投資します。
今後3年間で、1兆5千億円の投資を実行する予定ですが、その大部分の4,000億円を水素やバイオマス、太陽光などの再エネ関連、次世代エネルギーに投資する計画です。
つまりENEOSは石油精製企業でありながら、脱炭素社会の到来にむけ本気で取り組んでいます。
将来、水素インフラ、アンモニア等のクリーンエネルギーの分野において頭角を現すのは、意外にENEOSの可能性もあります。
- ENEOSは石油精製の営業益が50%を割っている
- 金属事業が石油精製と肩を並べて強い
- 今後は再エネに大規模投資予定