環境・エネルギー

ENEOSは意外に石油精製ばかりじゃない。今後は?

ENEOSと言えば石油元売りで業界No.1でありがガソリンスタンドのイメージが強いので、てっきり石油精製だけで稼いでいる会社なのかな?と思っていましたが、そうではありませんでした。

2020年度の営業利益内訳

ENEOSがどの事業でのくらい稼いだか、早速2020年度の実績で見てみましょう。

2020年4月~2021年3月の営業利益割合
(2020年度)ENEOS営業利益割合

御覧の通り、意外に石油精製等の「エネルギー事業」は利益額として50%を切っていて、全体の47.6%しか稼いでいません。
エネルギー事業のうち、純粋に石油精製で稼いだ分だけで正確に計算すると、48.3%です。(在庫評価益387億円は除いて計算)

石油精製は「エネルギー事業」の1部であり、ほかにも電力や石油化学品などがあります。今期は電力と石油化学品が赤字だったので、石油精製で1,242億円の営業利益であり、全体の割合としては48.27%と計算されます。

去年はさらに少なく、在庫評価除いた額としては、石油精製に占める営業利益の割合は7.65%しかありませんでした。(営業利益967億円に対し、石油精製が74億円。)

石油精製以外に強い事業は

ENEOSが石油精製以外で強い事業というのは、『金属事業』です。
銅鉱山の開発や、5Gなどの金属材料開発、金属材料のリサイクルによる再利用などでもかなり稼いでいます。

金属は今、金融緩和とアフコロ需要の影響でかなり価格が高騰しています。つまり今期は金属事業でかなり利益を稼いでくれるはずです。

ENEOSと言えば石油や天然ガスの開発も有名ですが、それはあまり営業利益に貢献できていないようです。
今年度はわずか28億円の黒字で、昨年は388億円の赤字だったぐらいです。

2021年3月期ENEOS決算説明資料より抜粋

今後のENEOSは?

ENEOSは今後は石油精製や金属などの既存事業の活用と、成長戦略として再エネに投資します。

今後3年間で、1兆5千億円の投資を実行する予定ですが、その大部分の4,000億円を水素やバイオマス、太陽光などの再エネ関連、次世代エネルギーに投資する計画です。

石油会社なのに水素やバイオマスは意外!

つまりENEOSは石油精製企業でありながら、脱炭素社会の到来にむけ本気で取り組んでいます。

将来、水素インフラ、アンモニア等のクリーンエネルギーの分野において頭角を現すのは、意外にENEOSの可能性もあります。

まとめ
  • ENEOSは石油精製の営業益が50%を割っている
  • 金属事業が石油精製と肩を並べて強い
  • 今後は再エネに大規模投資予定

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