今回は旭化成の『学歴の重要性』を見ていきたいと思います。
旭化成は化学品製造や高機能樹脂(繊維)などの開発をする、れっきとしたとした化学メーカーですが、『化学事業』だけでなく『住宅』『エレクトロニクス』『医薬・ヘルスケア』などの多様な事業を手掛けているため、ただの化学メーカーではありません!
そんな巨大企業である旭化成について、概要から説明して、就職データから見えてくる採用の傾向について分析したいと思います。
会社の概要
まず旭化成がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | 石油化学、高機能樹脂、住宅、建材、エレクトロニクス、医療など |
主な商品 | アンモニアやモノマーなどの化学品、サランラップ、繊維製品、へーベルハウス、オーディオ、骨粗しょう症治療剤、血液透析ろ過器など |
売上 | 約2兆422億円 |
平均年収 | 約770万円 |
特徴 | ・石油化学から繊維、住宅、医療、電子機器まで多様な事業展開 ・化学メーカーの分類だが化学以外の割合が極めて大きい ・研究開発費における化学(ケミカル+繊維)の割合は24.8% ・エチレンプラントは三菱ケミカルと共同で運営 ・家庭用フィルムの『サランラップ』が有名 ・オーディオ好きにはD/Aコンバーターで有名 ・リチウムイオン電池のセパレータも開発 |
旭化成が求める人材は、『高い理想と独自の考えを持ち、その実現に向け周囲を巻き込みながら自ら行動しやり抜くことができる人財』だそうです。
旭化成は『サランラップ』で有名ですが、石油化学事業を行いモノマーなどの樹脂原料の製造も行いますし、アンモニアや苛性ソーダなどの基礎化学品の製造も行います。
当然、繊維事業は旭化成の核となる事業ですので、衣料用の各種繊維やオムツ材料の不織布、その他高機能フィルムの開発には余念がありませんし、合成ゴムや洗剤の開発も行います。
その他、『へーベルハウス』でおなじみの住宅事業や、ヘルスケア事業、エレクトロニクス事業なども行い、事業の幅が極めて広くなっています。
大学群採用実績の比較
では旭化成の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における旭化成の採用実績の”偏り”を分析します。
旭化成の採用傾向を見ると、割合としては『旧帝大』『早慶』『難関国公立』といった上位校からの採用が多いですが、それ以外の層からの採用もボリュームとしてそれなりに存在しています。
関西で言えば、さすがに『産近甲龍』クラスになるとやや苦戦している印象ですが、それでも他の大手化学メーカーのように”ほぼ0″ということは無くそれなりに採用が見られますし、『関関同立』クラスともなると普通に通用しています。
旭化成に入るには『旧帝大』『早慶』を出ているに越したことはないですが、絶対という訳ではないことが伺えます。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 早稲田 | 364 |
2 | 慶應 | 327 |
3 | 京大 | 251 |
4 | 東大 | 248 |
5 | 東京理科大 | 203 |
6 | 阪大 | 201 |
7 | 東工大 | 185 |
8 | 同志社大 | 178 |
9 | 明治 | 176 |
10 | 九大 | 175 |
大学別で確認すると、採用上位校は旧帝大系ではなく『早慶』であることがわかります。
1,2位がそれぞれ早稲田、慶應で、その下に京大、東大と続きます。
旧帝大からの採用は多いですが、その多くは『東大』『京大』『阪大』といった上位校であり、トップ層からの採用が多いことがわかります。
また化学メーカーらしく、『東工大』の採用も多くなっており、それ以外では『東京理科大』『同志社大』からの採用が多いことも注目に値します。
学歴重要度
学歴重要度:(結構高い)
私が判断した旭化成における就職での学歴重要度は、4.0です。
東大京大をはじめとした旧帝大や東工大、早慶といった高学歴からの採用が多いという特徴があります。
一方で、関関同立やMARCHなどの中堅からも、割と採用があることは無視できません。
そのため、学歴はそれなりに重要と判断し、評価は4.0です。
- 旧帝大・難関国公立・早慶からの採用が多い
- 関関同立・MARCHからの採用も無視できない
- 日東駒専と産近甲龍からの採用もないわけではない
- 理科大や同志社大といった上位中堅大学からの採用が多い
まとめ
旭化成は、他の大手企業と同様に『旧帝大』や『早慶』からの採用が多くなっております。
一方で、MARCH、関関同立からも比較的採用されている他、日東駒専や産近甲龍からの採用も”それなりに”あります。
加えて、理科大や同志社大といった(上位)中堅大学からの採用が多いことなどを総合的に評価すると、旭化成への就職には関して『学歴は必要であるが絶対ではない』ぐらいの認識で良いでしょう。
企業研究を十分に行えば、どの学生にもチャンスはあります。
参考) 週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)