前回の伊藤忠商事に引き続き、今回も5大商社の分析として三井物産の学歴重要度を見ていきます。
全5回で、日本を代表する総合商社である5大商社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅)の分析を行っており今回が第3回です。
この記事では三井物産の企業概要と、就職データから見えてくる採用の傾向について分析したいと思います。
会社の概要
まず三井物産がどのような会社か簡単に見ていきます。
事業内容 | トレーディング、投資、経営など |
主な出資先 | 三井食品、三井農林、三井製糖、東洋エンジ、IHHなど |
売上 | 6兆9,575億円 |
平均年収 | 1,430万円(42.2歳) |
特徴 | ・財閥系(三井) ・鉄鉱石などの資源に強み ・鉄鉱石以外にも原油・天然ガスの権益収入も莫大 ・発電事業などにも強み ・2018年度は5大商社で唯一、過去最高益を達成できなかった ・医薬品や病院事業などの非資源系も強化 |
三井物産と言えば資源が強いことで有名です。資源商社と言われています。
中でも、鉄鉱石の権益保有量が巨大で、総合商社の中でも群を抜いています。
原油や天然ガス、銅なども得意としています。
非資源系への投資も進めており、例えばIHH(アジア最大の民間病院事業グループ)の筆頭株主になりました。
三井物産が求める人材は、『グローバルな視点で新しい時代を創り出す「挑戦と創造」の精神にあふれた行動力のある人物』だそうです。
大学群採用実績の比較
では三井物産の大まかな採用校の傾向を見ていきたいと思います。
『旧帝大』『早慶』『関関同立』などの括りで、過去29カ年における三井物産の採用実績の”偏り”を分析します。
5大商社の採用傾向は驚くほど一致しています。すなわち
早慶>旧帝大>>難関国公立 or MARCH>関関同立>>日東駒専 or 産近甲龍
となっているのが基本です。
三井物産も5大商社らしく、早慶と旧帝大のボリュームが圧倒的です。
MARCHおよび関関同立までがボーダーで、それ以下のクラスは採用が厳しい所も一致しています。
日東駒専と産近甲龍は、その学生数の多さを考えると、採用校実績はかなり少ないと言わざるを得ません。
特に実績の多い大学ベスト10
次に具体的に採用人数の多い10大学を、ランキングで見ていきます。
(ただし大学によっては若干年数が異なる。)
また、千葉大、横浜市立大学、大阪市立大、大阪府立大、国際教養大など一部の都市圏国公立と地方国公立は集計に入っていない。私立ではICUが入っていない。
順位 | 大学名 | 採用実績(過去29カ年) |
1 | 慶應 | 1118 |
2 | 早稲田 | 750 |
3 | 東大 | 530 |
4 | 一橋 | 289 |
5 | 京大 | 263 |
6 | 上智 | 208 |
7 | 立教 | 179 |
8 | 青山学院 | 159 |
9 | 学習院 | 145 |
10 | 日本女子大 | 75 |
5大商社の例に漏れず、早慶と東大・京大・一橋が圧倒的です。
とりわけ慶應義塾大の採用実績の多さには一目置かれます。
11位に神戸大、12位に阪大など関西の難関大も健闘しています。
目を引くのが、9位と10位の学習院大と日本女子大です。
また、いわゆる“大東亜帝国”と呼ばれる大学群からは採用がほぼなく、東海大と國學院大から数名実績がある他は、0です。
学歴重要度
学歴重要度:(かなり高い)
私が判断した三井物産における就職での学歴重要度は、4.5です。
- 5大商社型の採用実績
- つまり早慶と旧帝大が圧倒的実績
- 加えて、旧帝大の中でも東大と京大が多く、一橋も4位にランク
- 日東駒専と産近甲龍、大東亜帝国クラスからのほぼ採用されない
- 女子大や学習院大、成蹊大、成城大からの採用は例外的に多い
まとめ
三井物産は、典型的な5大商社型の採用傾向と言えます。
つまり早慶が断トツ、東大・京大および一橋大がそれに続きます。
中でも慶應大の採用実績の多さには驚かされます。
三井物産もMARCHや関関同立クラスからの採用はそれなりにありますが、それ以下のクラスはかなり厳しい採用実績です。
日東駒専、産近甲龍、大東亜帝国クラスは採用がほぼ皆無に近いです。
ただし他の5大商社と同様、日本女子大などの関東圏の女子大や、学習院大、成蹊大などからの採用は、異常なほど多くなっています。
基本的には三井物産には、早慶と最上位国公立大からの採用が多くなっています。
参考)週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列)