最近、やたらと削減が叫ばれるMR(医薬品営業職)。
なぜここまで不要と言われているのでしょうか?
この記事ではMRにネガティブと思われる事実を列挙していくことにしました。
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無駄な仕事時間が多い
基本、医師は忙しいです。
製薬会社の営業と時間をつぶす暇はありませんし、手術などで約束の時間を過ぎても面会できないこともあります。
MRとしては医師が都合がつくまで待機しなければなりませんが、例えば2時間や3時間、ただ医師の登場を待つだけという状態になるのは、甚だしく無駄ですよね。
また、面会の目的も大した理由があるわけでは無く、ただ顔を合わせて世間話をするだけということもよくあるそう。
人件費が高い
製薬業界というのは、基本的に給料水準が極めて高い部類に属します。
MRも当然例外ではなく、製薬会社の規模などにもよりますが、武田薬品やアステラス製薬などの大手になると40歳で余裕で年収1,000万円を超えます。
そんな高級取りのサラリーマンが、医師を待つためだけに数時間待機しているようなビジネスって、端的に言っておかしいし、ゆがんでいますよね。かなりの営業コストがかかっています。
いてもいなくても売上が変わらなかった
新型コロナによって、MRは病院にいけなくなりましたが、薬の売り上げはあまり変わらなかったそうです。
幸か不幸か、新型コロナはMRの生産性の低さを、活動自粛によって露呈させました。
以前からMRの無駄の多さは指摘されていたそうですが、コロナがそれをさらに「見える化」したということと言えます。
代わりに、メールやオンラインでやりとりするようになったようです。
エムスリーによる「MR君」登場
エムスリーという会社がオンラインの医薬品情報提供サービスを始めました。
これは、医師が直接MRに会わずに、オンラインで必要な情報を必要な時に自由に得られるシステムです。
これがとてつもなく使い勝手がよく、毎年右肩上がりで売上を伸ばしています。
それにより、MRの必要性がいよいよ最小化してきています。
エムスリーの時価総額は爆発的な上昇をしており、すでに国内最大手の製薬会社である武田薬品をも上回ったほどです。
少なくとも投資家はこの流れが将来的にも続くものと考えています。
医師もオンラインへ着実に移行
医師も医薬品の情報収集をする際、オンラインが主流になってきていて、実に39%※1が医療用のオンラインサービスから得た知識になっているのです。
対して、製薬会社がMRの支払う費用は、営業経費の91%※1であり、ここにギャップがあります。 <※1 エムスリー決算資料より>
MRの職は、完全に不要であるわけではないが、現在は明らかに余剰戦力であり、もっと人員を削減すべきことをこの数字は表しています。
こうなったのも規制のせい
このようにMRが不要になった背景には、法改正によりMRによる医師への接待が規制され始めたからです。
それまでは、MRが医師をあの手この手でもてなすことで、医薬品を売っていました。
さすがにこれが問題視されて、そのような活動が一切できなくなりました。
もし規制がなければ、接待を受けたい医師とそのような営業が得意なMRとの間で需要と供給が満たされ、今ほどMRが不要と言われることはなかったでしょう。
健全化の波が医療の現場を襲ったのです。
実際のMR職の人数の推移(2013年度~2019年度)
(出所)MR認定センター (MR白書)
さて、MR削減が叫ばれる理由、納得できたでしょうか?