五大商社の一角である住友商事が1530億円の赤字(純損益)を出しました。
三菱商事、三井物産、丸紅、伊藤忠商事など、”五大商社”と言われる有名どころの総合商社の中でここまで大きな赤字を出したのは住友商事だけです。
赤字を出した事業ポートフォリオ
赤字に一番寄与したのは、資源・化成品事業に分類されるマダガスカルでのニッケル事業での損失です。850億円の損失を計上しています。
特に1Qでの資源・化成品事業が痛かったです。600億円の損失をここで出しました。
4Qでは黒字化しているので、来期は持ち直すと思いますがどうでしょうか。
赤字の理由としては新コロによって、ニッケル鉱山での事業が操業停止に陥ったためです。
ご存じの通り、今の総合商社は多くが”資源ビジネス”に参入しています。ニッケル事業もそうですが、これらは基本的には一度成功すれば巨額の権益(=配当)を受け取り続けるだけの簡単な、というか投資妙味の高い事業なのですが、今回のようにひとたび問題が起これば巨額損失を計上するリスクがあります。
他にも、鋼管事業、インド特殊鋼事業、インドネシア自動車金融事業などで多額の損失を計上しています。
一番驚いたのは、赤字の責任を取って執行役員の夏季賞与がすべてゼロにするということですね。そこは企業として株主に対する責任が果たされているので、良いのではないかと思います。
住友商事についての私見
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住商ですが、個人的にこの会社はあまり好きになれず株式も保有していません。
というのも、2019年にOB訪問に来た女子学生を社員が強姦したという事件があり、「住商ってそういう企業文化なんだ」と少し思ってしまったのが大きいです。
(自身を”性獣”と名乗っていたそうな笑 ちなみにこの元社員は住商から解雇されています。)
まあ実際、他の伊藤忠や丸紅といった五大総合商社に、業績でもブランド力でも後れをとっているというのは、認めざるを得ない事実ではないかなあと思います。
資源割合
前の方でチラっといいましたが、住商は5大商社の中では資源割合がかなり少ない方です。
詳細は下記記事を参考にしていただければと思いますが、2019年度3月期資料では、純利益に占める資源ビジネス由来の割合が、五大商社の中で最も低い19.0%となっています。(一番高いのは三井物産で63.5%)
住商は資源に依存しないビジネス展開をしているという点では独特であり非常に面白いのですが、今のところそれが活かされる展開にはなっていませんね。
やはりSDGsの観点から言っても、原油などのエネルギーに依存したビジネスモデルはややリスクを内包しているので。
ニッケルや銅などの金属に関して言えば、電気自動車(EV)など将来性もあるかと思いますが。
まとめ
住商が大赤字を出したので記事にしました。
個人的には住商には投資をしていないのでどうでもいいですが、三菱商事もタコ足配当に陥るなど芳しくなく、資源ビジネスの動向含め総合商社の今後の成り行きが気になるところです。
ちなみに私は三菱商事と三井物産、丸紅に投資しています。