総合商社

三菱商事とアンモニア発電

総合商社の中でも再生可能エネルギー発電量が多い三菱商事。
クリーンエネルギーでも「アンモニア」を戦略の1つとしています。
この記事ではアンモニア発電における三菱商事の取り組みを見ていきます。

アンモニア発電とは

クリーン燃料の中でも、相対的にメリットが多いアンモニア。
燃焼時に二酸化炭素を排出しないのは当然の他、インフラが整っている点や取り扱いの容易性が注目されています。

反応式の一例

4NH3 + 7O2 → 4NO2 + 6H2O

アンモニア発電の意義と問題点をザックリ世界中でクリーンエネルギー、脱炭素の流れが来ているのは明白です。 日本も2050年までに100%カーボンニュートラルを掲げています。 ...

三菱商事のアンモニアへの取り組み

株主通信(6月)より引用します。

2021年3月、当社と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、インドネスアでアンモニア製造・販売を行うPanca Amara Utama(PAU)などとの間で、クリーン燃料アンモニア生産のためのCO2地下貯留(CCS)の実現可能性について共同長実施に合意しました。 (株主通信2021年6月No.52 P.13)

つまり、ここでいう三菱商事の取り組みはアンモニア生産そのものではなく、アンモニア発電の欠点の1つであるアンモニア生産時のCO2発生を抑えるための取り組みということですね。

前記事でも紹介しましたが、一見クリーンそうにみえるアンモニア発電も、アンモニアを作ること自体がエコじゃないという問題がありました。
その中でもLNGからの水素供給におけるCO2発生の問題を、三菱商事は解決しようというわけですね。

CCSというのは、炭素隔離貯留技術のことで、CO2を地下に貯蔵してしまい、大気中への放出量を減らすという方法です。地中や海中に貯留します。

もう少し引用を読んでみましょう。

アンモニアは燃焼時にCO2を排出せず、水素含有量が高いころなどから、次世代クリーン燃料として期待が高まっています。また、肥料・プラスチック・化学品の原料として輸送手段が確立されていることも利点です。このため、天然ガスからアンモニアを生産する際に排出されるCO2を回収・貯留することは、アンモニアをクリーン燃料化するための重要な取組となります。(株主通信2021年6月No.52 P.13)

わかりにくいですが、天然ガスからアンモニアが直接生産されるわけではなく、LNG中に含まれるメタンを分解したときに発生する水素をアンモニア製造に利用するということです。
そのメタンを分解したときに一緒にCO2が発生してしまうので、それを何とかしようという取り組みが本内容の目的です。

今後は、PAUが保有するアンモニア生産拠点を活用し、CCSによるクリーン燃料アンモニア生産の可能性を追求。脱炭素社会の実現と日本へのエネルギー安定供給に貢献していきます。(株主通信2021年6月No.52 P.13)

最後の”日本へのエネルギー安定供給に貢献していきます”というのは、クリーンエネや再生エネだけではなく、今後も石炭などの資源も引き続き続けるという意味合いですね。
当面はそれでいいと思います。徐々に変革していけばいいわけで。

まとめ

三菱商事のアンモニア発電にかかわる取り組みについてみていきました。

三菱商事が取り組む内容は、アンモニア発電自体を行うというわけではなく、アンモニア発電における問題点である二酸化炭素を排出をなくすという方向で貢献するわけですね。

アンモニアはクリーン燃料の中でもメリットが大きい手法の1つ。
今後も企業における取り組みが期待されます。特に総合商社はエネルギー供給に深くかかわるため、各社の動向を注目していきます。

参考:
インドネシアにおけるクリーン燃料アンモニア生産のためのCCS共同調査の覚書締結について

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